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札幌市立大学 張研究室・横溝研究室 プレゼミ2019 公開活動報告会 【発表資料をアップしました】

2020年1月24日に、札幌市立大学デザイン学部人間情報コースにある張研究室・横溝研究室の両プレゼミでの活動について、公開で活動報告会を行いました。

日時:2020年1月24日(金) 15:00〜18:00
場所:札幌市立大学芸術の森キャンパス 大学院棟1F レクチャールーム

予想以上の皆さんにお越しいただき、とてもありがたい思いでございました!ありがとうございました!!家に帰ってから湧き出てきた疑問などがあれば、コメントやDMなどいただければお返しすることもできますので、疑問そのままにせず、ぜひお問いかけください!!!

各セッションの様子や資料、スライドは、公開可能なものに限りこの記事に順次更新・アップロードしております。少しずつ追加できると思うので、気長にお待ちいただけますと幸いでございます。


以下から各セッションの内容です。

⚠️ ATTENTION
以下に掲載しております写真等の素材について、ご連絡のない再配布はご遠慮ください。共有の際は大変お手数ですが、この記事のURLにてお願い致します。
また、記事の引用につきましては歓迎しておりますので、もしご執筆いただけましたらご連絡いただけますと幸いでございます。


はじめに

まずは、両プレゼミの先生方よりお言葉と、おいしいお茶にお菓子までいただきました!ありがとうございます!!

お茶を淹れる横溝先生がとても画になる1枚でした。グラレコも横溝ゼミのメンバーでやってみました!(各セッションの資料にアップしていきます)

 

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動物が快適に過ごすためのサイン計画

札幌市円山動物園での活動を通して
Kansei Design Lab. ( Ishida, Shinagawa, Uriu, Huang )
15:00〜

近年、円山動物園では多世代・多国籍の来園者が増え、来園者に対する「フラッシュ禁止」などの注意喚起の重要性が増している。そこで、注意・禁止に関する従来サインの改善で来園者の行動変容を促し、上記の課題解決に向けたデザイン学の観点からの検討、現地調査による効果検証などの研究活動についてお話しします。

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札幌市立大学と円山動物園は同じ札幌市が設立していて、以前から産学官連携でご縁の深い関係です。私自身も動物園に来場する来場者の印象評価のお手伝いや、動物たちをテーマにしたワークショップのお手伝いをさせていただいたりする中でとてもご縁が深く、しかも動物の立場から考えたデザインという、とても興味深いセッションです。

発表資料はこちら。

グラレコはこちら。

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僕自身は、当日コメントしたように、「シロクマになりきる」というのがとても面白く感じて、ガラスを叩くというモーションを、手袋によってエモーションに変えていくその変化が面白いと思いましたが、あまり動物への配慮がなされていないということでした。

ただ、そういったカタチがヒトにどういった感情の変化を起こすのかも気になる一方で、手袋でガラスを叩いてしまうかもしれないし、手袋で手を振ってくれるかもしれないし、なりきって自分が写真を撮られるかもしれないし…。そういった来場者の行動を感情感覚から変化させるアイデアという展開には、もっと可能性があるのではないかということも感じさせてくれたセッションと感じました。

そして皆さんからも質問などいただくことができて、とても良いディスカッションの場作りができたのかな、と思います。ありがとうございました!


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生活世界を描く活動のデザイン実践

石山緑地とその周辺地域での活動を通して
Mutsumi Nakamono, Amika Sato ( Primordial Design Lab. )
16:00〜

石山緑地でのフィールドワークから得た体験や経験、それらのまとめを通して、人々が「在るがままの世界」からの価値を理解するための学びのプロセスを体系化しました。それを伝えるツールとして制作したZINEと、石山という生活世界を通して価値を得るプロセスとその活動についてお話しし、ZINEについて深める実践を行います。

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関連資料はこちら。私のnoteで申し訳ない。このセッションでは、noteにも出てくるZINE「石山をつかむ」をもう一度見直す"編集会議"もやるので、ぜひ聞きにきてみてください。その場でいろんなご意見とか感想もいただきたいです。でも、おそらく私とうちのラボの佐藤とで喋り倒してると思います(たぶん)。

発表に使用したものはこちら。

グラレコはこちら。

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思えば、これも10月の頭に始めたのだと…時は早く流れるものだな、と。ゴールを求めなくても、設定はしなくても、人間ってうまくやれるものだよ、と、この考えがとても大事だったりするわけです。行き先の決めないふらりとした旅が面白いのと同様に、ゴールのないデザイン活動もその場にあることやもので自由に動いてゆく、変わってゆく、まるで月の上をジャンプするかのように浮動するデザイン活動というのは、とても面白いものです。

そして、後半でお話しした自己実現欲求と自他実現欲求の話は、少し入り込んだ話になってしまったかもしれませんが、あくまでも、欲求はどちらかに分類されるわけではなく、自己実現と自他実現は両立するし、どちらが良い悪いという議論ではないことも合わせて。

自他実現という、あなたがいて私がいる、という感覚とか関係性というのは今の社会において希薄となった存在だからこそ、大事なんだよと思うところでもあり、これらの変化をどう捉え、実践していく中でも変化を自身で捉えて語ることで欲求の実現について知ることができるのではないかな、とも思います。


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遊びと学びの共同体づくりの原理

ワークショップ「リーフコンポジション」を通して
Rikako Higuchi ( Primordial Design Lab. )
16:40〜

「あるものから見出した点」を使った新たな表現方法を見出すためのワークショップでの体験や経験を通して、自身で学んだことをグラフィックレコーディングでまとめました。これらの体験や学びを体系化、自分たちで理解し、遊びと学びの共同体(ワークショップ)の原理を明らかにする活動についてお話しします。

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関連書籍(として私が個人的に紹介したい本)はこちら。作品づくりもセッションのポイントにはなるが、個人的にはワークショップという他人との絶妙な距離感が必要なスペースをどう学びの共同体にするのか、を考えるプロセスに注目してほしいところです。

発表スライドはこちら。

発表資料はこちら。

配布したポストカードはこちら。

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グラレコはこちら。

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これは面白かったなー、と思ったと同時に、1つのモチーフからたくさんのデザインを展開していく難しさと苦しさがありました…。なかなか思いつかないと同時に、それだけ先入観や今までのバックボーンに自分の作る活動が制限されているんだな、と思い知らされた感じがあります。でも、楽しいんですよね。やっぱり作るって楽しいし、自分で作るからこその楽しみというのがなんでもあると思うんです。大事ですね。

この研究では、ワークショップを受けるという実践から、そのワークショップがどう成り立っているのかを見直してみようということで体系化まで進んでいますが、これでいいのかなーという連続です。わからないことをわかるようになるのが研究であり、多くの"WHY"の連続でもあり、大変なんですが、取り止めもない発表からそれが感じていただけると嬉しいなーと思いながら聴いていました。


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イリイチ勉強会・理想の病院プロジェクト会議

札幌市立大学などでの学びを通して
Mishii Sano ( Primordial Design Lab. )
17:00〜

昨年12月11日に行われた、情報デザイン領域を1990年代に開拓したデザイナーであり教育研究者である須永剛司先生と一緒にイヴァンイリイチの書「コンヴィヴィアリティのための道具」をテーマにした議論の会での学びと、札幌市立大学の理想の病院プロジェクト会議で行ったグラフィックレコーディングの経験についてお話しします。

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セッションのテーマになっている書がこちら。私も持っています。難しくてゆっくりじゃないと読めないですが、1ページずつじっくり咀嚼して理解していくことにとても意義を感じる一冊です。(だから、まだ全然読み進められてないんだよなぁ………)

発表スライドはこちら。

発表資料はこちら。

S__98304004のコピー

グラレコはこちら。

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私もイリイチのこの本を買いましたが、なかなか読み進められない…。難しい…。全体的になんとなく言いたいことはわかるんだけど、一つ一つの言葉をしっかり読み解いていかないと間違えそう、といった感じです。ちなみに須永先生のご本も先日手にしまして、すっかりデスクの上の常備本となっております。本から得られる知を、議論の中でさらに昇華させていくのはとても素晴らしいと思いますね…。

後半の理想の病院プロジェクトもなかなか面白そうで私も参加したかったのですが、バッチリ体調を崩してしまいまして…。共創の話とプロジェクトの話というのはとても興味津々なんですが、共創と一言呼んでも、それはそれで難しい…。当事者同士の関わり合いだったり、それを取り囲む周辺要因だったり、環境もあれば、その場の風向きまでも関係するようなもので、立場の違いからいろんな意見や見方があって当然ではあるが、少し気を向けるだけで改善できることもあるのではないかな、と感じました。

イリイチについての勉強会は2月末に再び札幌で行われますので、ご興味のある方はお気軽に足をお運びいただけますと幸いです。

『石へのいしき展
〜札幌市立大学のデザイン学生が描く石山緑地の生活世界〜

札幌市立大学の院生・ゼミ生と共に、札幌南区・石山緑地をフィールドとしておこなった原初的なデザイン活動の成果を下記の通り発表します。お近くの方も、遠方の方も、お気軽にお越しください。

いつ:2月28日(金) ー 29日(土) 10:00 〜 17:00
どこ:旧石山駅(石山新興会館  札幌市南区石山1条3丁目1-30)

2/28(金)_10:00〜12:00
「I.イリイチに学ぶ自立共生の社会づくりの勉強会」(一般に公開しておこないます)
参加者:須永剛司(公立はこだて未来大学),小早川真衣子(千葉工業大学),横溝賢(札幌市立大学)

2/29(土)_13:00〜15:00
「作者(学生)と作品を見ながら石山緑地について語らう時間」


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当事者デザインを循環させる社会実践型ラボラトリーモデル構築プロジェクト

京都大学などでの学びを通して
Yuya Mikawa ( Primordial Design Lab. )
17:20〜

人々の営みを全てデザインと捉え、活動の中に埋め込まれている考え方や方法の共通性から、「当事者デザイン」の枠組みを明らかにするための実践を行っている。それらによって、デザイン知が循環する道筋を模索しており、その取りまとめである次回デザイン学会特集号の編集会議に参加した際の学びなどを「そもそも…」の視点からお話しします。

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関連のコンテンツはこちら。横溝先生のTumblrですが、活動がいい感じに垣間見える感じがたまらなく良いです。このセッションは私が喋るのですが、そもそもデザインとは、デザイン活動とは、暮らしとデザインの関係とは、そもそもなんで記録するのか、なぜ書き留めるのか、なぜデザインをするのか、など「そもそも…なんでだろう?」といったポイントを緩く、時には熱を持って喋る予定です。

発表資料はこちら。

Designing Ourselves in KYOTO 2019のコピー

・上の画像は、クリックorタップすると高画質版を見ることができます。リンク先下にある虫眼鏡でズームするとよりきれいに見えます。
・全てベクターデータになっています。オリジナルデータをお求めの際は個別にご連絡ください。

グラレコはこちら。

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最後の最後に複雑で一番取り止めのない話をしてしまいました…。なかなか求められたフレーズに対するナレッジの提供ができずに自分自身がすごくもどかしくて、ごめんなさい…。デザインとは生きることであり、それを語り、言語化することの受苦が一気に押し寄せてきた気がしました。

セッションの後にも少しお話しさせていただいて、その時の出てきた感想だったり問いをまとめ直してみました。

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セッションの時にお見せしたシートの中で話してないことはまだたくさんありますので、気が向いた時にでもお話しできたらな、と思います。それに、もっと知りたいと思ったときはアトリエに来てくれたら一緒にお話聞きますので、いつでも来てください。いないかもだけど。

こうやってセッションごとにいろいろな資料やその周りの写真などを残してきたけど、やはり本人が伝えたいと思って準備した資料を並べるだけじゃそれは後から伝わりにくくなって、その場の語りなどによって知のコミュニケーションが成り立つのだと思う。そのために残り香をふんだんに残すことが大事かもしれないし、やがて残り香が後の自分のメインストリームになっているかもしれない。だからやっぱりデザインは、生きること、である。


札幌市立大学・デザイン学部について

札幌市立大学は、北海道札幌市にある公立の大学で、D(Design:デザイン)とN(Nursing:看護)の両学部を併せ持つ大学です。その特長を生かし、両学問が連携・共同して「教育・研究・地域貢献」を行っています。また、本学の異分野連携により可能になる、人々の暮らしや社会に新たな価値を創造する活動を実践しています。デザインと看護の連携でさまざまな視点から「ひと」について考察する、人を学び、人を育む新しい学び場です。

我々、デザイン学部が拠点としているのは、緑豊かな自然に囲まれた「芸術の森キャンパス」です。四季折々に違った表情を見せる環境は、学生の感性や創造力を大いに刺激します。隣接する札幌芸術の森は、約40ヘクタールの敷地に野外美術館や工房、アトリエなどを有するアートの発信地です。

人間情報デザインコースでは、デザインの手法や原理だけでなく、芸術、心理学、人間工学、科学技術、メディア創出などを複合的に学修します。これらを通して「ヒトとモノ、ヒトと社会の良質な関係」を描き出すことができるようなモノ・コトのデザインを学びます。色やカタチといった限られた分野ではなく、広いデザイン分野で活躍するデザイナーをめざします。


原初的デザインラボのメンバー

三河 侑矢 (Yuya Mikawa)
札幌で生まれ、札幌で育ち、今も札幌に住んでいるという、生粋の札幌っ子。
イベント企画からグラフィックデザイン、エディトリアルにインタラクティブアート、最近はワークショップやフィールドワークまで、幅広く、とにかく実践的にやっちゃう何でも屋さん。
ライフワークは歌い手さんのライブ参戦に参戦することだが、ここ数年は満足にできてないのでそろそろライブ巡りの旅に出たい。
先日、共同制作した作品「Through Confidential - 秘密をスルーする耳」がInternational Students Creative Award 2019のデジタルコンテンツ部門で入選作を受賞。
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佐藤 あみか (Amika Sato)
ヤキトリが鶏肉じゃない街こと、北海道室蘭市出身の20歳。
高校生活3年間で人間の本質について考えながらエレキベースを弾いていたら、いつの間にかデザインにたどり着いていた。街の看板の字を眺めたりフライヤーを集める、生牡蠣をあたるまで食べたり、哲学的なことを考えたりして生きている。
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佐野 弥詩 (Mishii Sano)
ぱぴょーん!みしいって読みます。スーパージャンボゴリラデザインユニット蛇口に所属!
札幌生まれ札幌育ち、広大な北の大地に育てられたおかげですくすく大きく育ちました。
一番伝えたいこと 給水塔、古いビルや喫茶店が好き。
デザインと宇宙のことを考えたら夜も眠れない!語り合いましょう。
※ねばねばした食べ物があんまり好きじゃないので与えないで。
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中者 睦望 (Mutsumi Nakamono)
メンタルもフィジカルもスーパーパワフル。
「むっちゃん」という愛称で呼ばれています。人と接することがとにかく大好き。コミュニケーション能力最強デザイナーを目指す、少~し顔が広めの21歳。いろんな人と十人十色な交流がしたくて、「私」と「相手」をどうやって繋ぐかで頭がいっぱい。
その手段やツールを増やすべく、誰かをちょっぴりハッピーにできるようなデザインを模索中です。
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樋口 涼佳子 (Rikako Higuchi)
札幌市立大学に惚れて、直線距離はなんと1061キロの札幌に飛んできた!出身は兵庫県神戸市。冬の寒さに慣れてもう3年目に突破しました。カフェと音楽と服が大好き。
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横溝 賢 (Ken Yokomizo)
専門は情報デザイン。地域の生活世界を市民と共に描き出すことから、その土地に根ざして暮らすことの価値を学びあう活動のデザインに関する研究をおこなっている。
2018年より、科学研究助成事業 基盤研究C「当事者デザインを循環させるための社会実践型ラボラトリーのモデル構築」に関する共同研究を進行中。
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