矛盾の神｜女の哲学
わたしは
完全な融合と
完璧な分離の間で
二つに引き裂かれ
ゆらゆらしている。
あなたを
太陽のように自由に
愛したい心と
失いたくないと
ダイアモンドのように
自制する心と
矛盾の中で
ゆらゆらしながら
音の中でだけは
全てを忘れて
純粋に愛に溺れられる
自由を知った。
二つに引き裂かれてできた
傷という穴をくぐり抜けたら
荘厳な世界があった。
純粋という言葉さえも
不純に思えるほど
神聖な世界があった。
矛盾から生まれる
不安定な情熱が
あなたをただ愛したいという
たったひとつの願いを
創造しては
バラバラに解体していく。
その不安定さを
ギリギリで持ちこたえながら
体が奔放に
うねりながら
渇望しながら
満ち足りながら
体であることを
放棄しながら
愛しながら
忘れながら
音ともいえない何かを
ギリギリで受けとめ
融合し
創造の中心へと
押し戻そうとしていた。
時間を忘れ
音を忘れ
自分も忘れ
ただひとつだった。
初めて体験した創造の世界。
明らかな体験をしたというのに
私はなぜかゆらゆらしている。
渇望していた
神の創造の世界に触れたのに 。
今の私は
不安定でやるせない気持ち。
命をかけた自分との戦いで
どちらも負けず
どちらも勝たず。
それなのに
ゆらゆらしている私は
完全に矛盾の神だった。
（Photo: ©MikaRin)
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