ドライバーの卒業
去年の秋に車の運転や乗り降りへの不安が限界を迎えたと感じて、手放す決心をしました。
車で自由に出かけられていた年月が長かったため、好きな時に外出ができなくなることがとても不便に感じられることや、病気の進行をはっきりと自覚することにもなるため受け入れて決断をすることに時間がかかりました。
どうにか車を改造したり道具を使って乗れるように出来ないか?と考え、福祉車両のショールームへ見学に行ったこともありました。
お金をかけて改造などしたとしても、それにどれくらいの期間乗れるかわからないことが考えられます。身体の状況の変化によっては一年でできなくなることもあるからです。
ぐるぐるとたくさんの思いが頭を巡り、最後にたどり着いた気持ちは「今までよくがんばって運転してきたなぁ。」でした。運転できていたこと、車で出かけられることのありがたさだけが残り、静かに手放すことを決意できました。
最後の運転納めに母と叔母に同乗してもらってドライブに行きました。その時は3ヶ月ぶりの運転だったため、ドキドキしましたが無事に運転できました。ですが、車から自力で降りることが出来なくなっていました。
やはり手放すタイミングが来ていたんだなと実感しました。
車での外出は、乗り降りができるかな?建物の近くの駐車スペースは空いているかな?という不安な面や、ブレーキへの踏み替えが遅れないように気をつけたり、冬は駐車場の除雪を父に来てしてもらったりとかなり心的ストレスも高かったので、手放すと決めたらとても気持ちが軽くなりました。
できるだけ自分でやっていきたい気持ちはとても大切だと思います。でも、見切りをつけて手放す勇気も大切だなぁと思いました。
車を手放したおかげで、父に送迎してもらう機会が増えて父との距離がグッと縮まったことがとても嬉しいです。
頼ることで感謝することができて、幸せな気持ちでいられることが増えました。
何かを手放すということは、同時に何かを受け取ることができるんだなぁと気づかせてもらえた出来事でした。
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