誘う

あなたが誰かに本を勧められたとする。
次の①~④は、それぞれどう感じるだろうか?
①「この本を読みなさい」
②「ぜひ、この本を読んでください」
③「あなたもこの本を読みましょう」
④「この本を読んでみませんか?」

①に近づくほど、押しつけがましく、有無を言わせない迫力がある。
逆に④に近づくほど、Noと言いやすいのが感じられるだろう
①のように強制的に命令されると、「ムッ」としたり防衛本能がはたらく。
②は言葉遣いこそ丁寧だが、選択の余地を残しておらず、少し無礼に聞こえるかもしれない。
③は命令形ではないため、興味があれば、抵抗なく受け入れられるだろう。
しかし、興味が無ければ、断るのが億劫で、「重い」という印象を持つかもしれない。
④ならば、嫌なときには「ごめんなさい、結構です」と抵抗なく言いやすい。
「提案に乗るか・断るかは、あなた次第ですよ」という選択肢を与えてくれているように聞こえる。

このように、同じ「誘い」の表現でも、トーンごとに「丁寧/無礼」「断りやすい/断りにくい」が変化する
抵抗なく受け入れやすい表現は、同時に断りやすくもなる。

コピーライティングにおいては、これらの問いに正解・不正解があるわけではない。
シーンに合わせて使い分けるのがポイントだ。


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