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僕は、僕だ
はぁ、、、
鏡で自分の顔を見る度にため息が出る。
顎の下にズラリと並んだニキビが今日も痛い。
こんなのなかったのにな。
全然治らない。
はぁ、、、
しかも、今、口内炎が3つもできている。
痛い。
身体は正直だ。
内臓がおかしくなるよりはいっか、、なんて誤魔化してみるけど
やっぱり・・
落ち込む。
息子が再び居場所に通い出した。
先日、学校に行っていない息子の唯一の居場所に「子どもの足音がうるさい」と、近隣住人からの苦情が入ったという記事を書いた。
「もう一生行かない」と言っていた息子も現状を受け止めたようで、居場所ではつま先歩きをしている。
「居場所に行きたい」「パーマ先生と遊びたい」という気持ちが、息子を再び動かした。
正直、もっと荒れるかと思っていた。
でも、先生や私が何も言わなくても息子は自分で気持ちを整理し自ら動き出した。
その姿に息子の成長をものすごく感じた。
息子が再び「行きたい」と動いたその気持ちを大切にしたい。応援したい。
「そばにいて」と言うなら、そばにいるよ。
その日は通常の居場所とは異なり「畑で採れたさつまいもで焼き芋を作ろう」という特別な日だった。こういうイベント事が苦手な息子だけど、「行く♪」と上機嫌。
もちろん私の付き添いが条件だ。
居場所に着くと、じわじわと「いつもと違う」感が息子を襲い、どんどん息子の顔が強張っていく。
「もう、帰りたい」
繊細っ子あるあるだ。
付き添い歴4年。
だいぶこの感じにも慣れたけど、、慣れない。
「そっかぁ」って、その気持ちお預かりしますモードで受け止め、息子の気持ちが落ち着くのを待つ。
パーマ先生が、1日の流れをおもしろおかしく説明していく。
だんだん心が解けてく息子。
無事に焼き芋を作る場所へと向かうことができた。
ホッ。
焼き芋ができるまで近くの公園で遊ぶことになった。
もちろん私も付き添う。
みんなが友だち同士できゃっきゃしながら歩く中、息子は私の手をぎゅっと握って歩く。
公園に着くと、元気に走り出す子どもたち。
ボール遊びをする子。
バトミントンをする子。
鬼ごっこをする子。
息子はどこにも混じらない。
私はできるだけ見守ることにしている。
本来、私はここに居ないのだ。
私の役割はあくまで「安心のお守り」係。
1人で公園内を探検したっていい。
誰かと遊びたくなったら自ら動いて欲しい。
私の力が必要だったらその時は手伝うから。
公園内をぶらぶらしていると、いろんな切り株にペイントしてあってとても可愛かった。
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ふふ、可愛い。
切り株の写真を撮りつつ、遠くから息子を見守る。
1人で何かやっている。
時折、鬼ごっこの様子を見たりしている。
私のところにもちょこちょこ来るけど、昔のように「お母さん、一緒に遊ぼう」とは言わない。
息子が何かを作り出した。
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「森のアートだよ」
その作品があまりにも素敵なので、私は切り株にのせて写真を撮った。
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いいね。
いい。
ものすごく、素敵。
また息子から離れて切り株の写真を撮ったりして私は私で公園時間を過ごす。
ふと見ると、息子が1人でブランコを漕いでいた。
鬼ごっこできゃーきゃー盛り上がっているみんなの声が響き渡る中、息子は1人ブランコを漕いでいる。
少し前までは自分で漕げなかったブランコ。
「お母さん、背中押して」っていつも言われた。
今は、1人で漕いでいる。
そばに行ってあげた方がいいかな。
やっぱり一緒に遊んであげた方がいいかな。
いや、でも私はあくまで見守り係だ。
いろんな気持ちが交差する。
息子は漕ぎ続ける。
高く高く
力強く
私はそっと近づき息子の後ろ姿を写真におさめた。
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僕は、僕だ
そう言っている気がした。
今までこういう場面に何度も出くわしてきた。
みんなが楽しそうにお絵描きをしている教室の外で、息子は廊下に机を出し1人で絵を描いていた。
みんなが楽しそうに園庭を走り回っている中、息子は先生と虫を探していた。
みんなが一生懸命走っている運動会のリレーのトラックの中で、息子は泣いていてた。
みんなが歌って踊っているお遊戯会を、息子は客席から私と一緒に観ていた。
最初は胸が張り裂けそうだった。
息子がかわいそう
息子がさみしそう
そんな風に思った。
でも、その時からすでに息子は「僕は、僕だ」と思いっきり自分を表現していたんだ。
かわいそう
とか
さみしそう
とか
思っていたのは、私の方だった。
息子がブランコを止め「1人じゃつまんない」と言い出した。
そして
鬼ごっこをしていた先生を捕まえて「一緒にブランコしよう」と声をかけた。
私の力は必要なかった。
そのうち、私のところに全然来なくなった。
私は1人ベンチに座りみんなと遊び出した息子を見ていた。
苦手な鬼ごっこも先生とペアになり一緒に遊んでいる。
あんなに苦手だった鬼ごっこなのに。
公園中を走り回っている。
嬉しい。
私がここに居るということが、息子にとっての安心のお守りになっている。
ただ、そこに、居る
ただ、そこで、見守る
焼き芋が出来上がったようで一旦公園を出る。
30万の焼き芋機で作った焼き芋。
居場所の子どもたちにと、どこかの社長さんがプレゼントしてくれたらしい。
そのお気持ちに感謝。
ホッカホカ
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金色をしてる。
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みんなで公園で食べようということになり再び公園へ。
この時にはもう私から離れて、前の方で先生と歩いていた。
私はその息子の後ろ姿を見ながら思う。
慣れるまで、2時間くらいかかったなぁ。
次の日、居場所で「手巻き寿司とチョコパイを作ろう」というイベントがあった。
イベント事が続く。
これにも行きたいと言う。
息子の「行きたい」と言う気持ちを応援したい。
だから、付き添う。
到着してエプロンと三角巾をつける。
もちろん息子はつけない。
みんなは食材を切ったり卵を割ったり、着々と料理を始めている中、息子は1人、1000ピースのジグソーパズルをしている。
私はそんな息子を放っておいて(言い方)、卵焼きを作っている子どもたちを近くで見ていた。みんなきゃっきゃ楽しそう。
卵焼きがなぜか、三角形になった。
「逆に三角に作るの難しいよね?!」と、ツッコミを入れる私。
みんなで盛り上がっていると、気になったのか、ジェラシーか、息子がそばに来て・・
抱っこのポーズ
私は25キロの息子を抱き上げた。
耳元で「つまんない」「やることない」「何もやる気しない」を連呼する息子。
そっかそっかと言いながら、みんなが料理しているところを見て回る。
めっちゃ、重い。
25キロ、重い。
「ほら豚肉切ってるよ、切ってみる?」
「ほらツナにマヨネーズ混ぜてるよ、混ぜてみる?」
「ほらきゅうり切ってるよ、切ってみる?」
どの声がけにも首をふる息子。
パーマ先生が近づいてきて「○さん!先生と一緒に酢飯を作らないかい?」と誘ってくれた。
「すめ・・・・・C!!!!!!!」
と息子に向かって、腕を「C」の形にしてお得意のポーズを決めるが、そのポーズも虚しく息子はチラ見するだけだった。
駄菓子菓子、パーマ先生は諦めない。
「すめ・・・C!!!すめ・・・C!!!」と、抱っこされた息子の周りをぐるぐる回る。
ニヤつく息子。
このパーマ先生の全力酢飯ポーズで少し心が解けてきたのか、酢飯はスルーしたものの「サーモン切ってみる?」と聞いてみると、小さく頷いた。
それきっかけでやっとエンジンがかかった息子。
積極的に自ら動き出した。
ふぅ。
ここまで、1時間。
パーマ先生が近くに来て「○さん、動き出しましたね」と話しかけてくれた。
息子のことを理解し、息子のタイミングをゆっくり見守り待っていてくれる人がいるのは、本当に本当にありがたい。
学校はそうはいかない。
待ったなしにどんどん進んでいく。
息子は慣れるまでにものすごく時間がかかるから、置いていかれる。
置いていかれるのって、ものすごくしんどい。
私はこの日もその場所にいた。
何をするわけでもなく、そこに。
今は、私というお守りが居るから過ごせている。
再び居場所に「行きたい」という息子の気持ちを応援したい。
目の前で笑っている息子の笑顔を守りたい。
その一心だ。
ただ、私の身体は正直だ。
顎の下のニキビは大きく痛い。
口の中の口内炎が辛い。
目の前で笑ってイキイキしている息子に反して
私は疲弊する。
鏡を見ると落ち込む。
そんな私のことを米粉ちゃんは「あんたは可愛いよ」「その髪型似合ってるよ」と、いつも優しく言ってくれる。
泣きそうになる。
就寝前に柔軟していて、疲れすぎていつの間にかそのまま床で寝てしまった。
夫がそっと起こしてくれた。
私の背中をさすってくれた。
疲れたなぁ
しんどいなぁ
もう、泣きそうだ。
ただ、そこに、居る
ただ、そこで、見守る
何をするわけでもないけど、ものすごく疲れる。
私が居なければそこに居られない今だけど、そのうち「心のお守り」だけでその場にいられるようになる日がきっと来る。
そう信じている。
そう自分に何度も何度も言い聞かせている。
今はひたすらに安心貯金を貯めて、そのお守りを息子の中で強くしているんだ。
そのお守りは目に見えないから。
どのくらいまで貯金貯まっているんだろう。
鏡に映る自分を見ては落ち込むけど、もし、それが大切な親友だったら?
(仲良しnoterのayamoちゃん教えてくれてありがとう♡)
きっと、こう言うかな。
「あなたはよくやってるよ。素敵だよ」
ayamoちゃんの記事↓