空間美がもたらす魅力
大学時代、友人と一緒に京都の南座というところに
歌舞伎を見に行ったことがあります。と言うのも、
当時イケメンな役者さんが揃って沢山舞台に立たれ
ていたから。
有名な役者さんが出る演目はやはりチケットも高い
。手持ちの軍資金と見比べ、節約する必要がありま
した。
交通手段は、隣に誰が来るかわからないという怖さ
があったものの、夜行バスしかありませんでした。
初めての夜行バスに、お互いお尻が痛くて京都につ
いたころにはグッタリ。
それでも南座に到着すると、その疲れもすぐに吹き
飛んでしまいました。まず最初に目に入ったのは趣
のある建物の美しさでした。
建物の中に入ると、何とも言えない良い香りがどこ
からともなくしてきます。お弁当の香りではありま
せん。
お香の香りです。これも観るモノを少しずつ演目の
中に入り込ませる演出なのですよね。
ジブンの席につくと、お芝居が始まる前のザワザワ
とした感じと共に舞台から聞こえる三味線や拍子木
をたたく高い音が聴こえてきます。
わたしはあの音がとても好きで艶のようなものを感
じます。
舞台が始まると演目にもよりますが、観客側にある
花道から登場する役者さんが登場することもありま
す。
テレビでしか見たことのないあの人もすぐ目の前に
あらわれました。
広い舞台にたった1人で立つ。広い空間のなかにあ
るジブンをいかに見せるか。
また、数人で舞台に立つとき、いかにジブンを見せ
るか。まとまって立つ場合もあれば、広い舞台で互
いに均一の空間を取り立つこともあります。
これは西洋のバレエにも通じることですが、広い舞
台で空間を生み出して見せる美しい舞台芸術だと感
じます。
少し話は変わりますが、わたしは教育書道を学んで
きました。ですので、正しい筆遣いを行うことが出
来ます。
当然、芸術ではないので、教育者として文字をどの
ように書けば相手に読める様になるのかも学んでき
ました。
けれど、作品の評価は文字が美しければよい、とい
うものではありません。当然ながら、美しい文字が
書けることは当たり前ですが、それ以上に、墨の入
っていない余白部分をいかに美しく魅せられるかが
重要になります。
わたしが学生の頃、先生からは
「懐がせまいですねぇ」
なんて指摘をされることもありました。
これは、一文字を書くにしても、
「白い部分が窮屈になっていますよ」
ということ。実は作品ではなくとも白い部分をいか
に美しく見せるかが重要。
ここまでお話すると、勘の良いあなたならもうお分
かりでしょう。
「書道も歌舞伎も同じ。」
書道も舞台芸術も、”余白の美”みたいなものがある
からより美しさが引き立つんです。
舞台芸術にはその他にもいろいろとありますが、今
回は「空間美」について取り上げてみました。
歌舞伎の見どころって他にも沢山ありますが、わた
しの目を通すとこんな風に見えているというお話。
同じモノを見ても人によってり見え方・感じ方が異
なるからオモシロいですよね。
これからも、時々
「わたしの目と心のレンズを通して感じ取る世界観」
についてお届けします。楽しみにしていてくださいね。
~かおのことが気になるあなたへ~
分かりやすそうに見えて、
なにか掴みどころがないと言われるわたし。
他のnoteも手にとってみてくださいね。
そこにわたしをより深く知るコトのできるヒントがあるかもしれません。
ベースとなる考え方などをお話しています。
どうぞこちらもご覧くださいね。