見出し画像

断捨離ワタシ

駄菓子屋で買ったラムネの中にサイレースを入れても消えない子供の頃の私が、今も絶望的な深海みたいな、青い舌を出して笑うのだ。青色は青春の残滓みたいな性欲じみた最悪に似ていて、さよならの春を殺したみたいだった。夕日、夜明け、朝焼け。死神の瞳が光るのは夜明けの光をたたえているからだと知ったのは、風邪のときに冷蔵庫から出した賞味期限のゼリーを掬ったときだった。私が1枚の空白の紙だとしたら、アルジャーノンにしか、その上を走ってもらえないだろうと思う。圧迫骨折みたいだね、私の心は。マグロの解体ショーで包丁を持つ板前、顧客の皿は食材たちの墓場。私たちは墓場でご飯を食べる。車でしか行けない所にあるスシローだってマクドナルドだってすき家だって、みんな命の墓場。精神安定剤が10円チョコになったって気づかないぐらいに狂いたい。大切にしている心のヒダを永久脱毛するみたいに、どうせ希望なんてないような怠惰なラプソディーをしてみたい。

いいなと思ったら応援しよう!