【🇫🇮ポスドク】SYS-LIFEのInduction dayに参加した

こんにちは。フィンランドで研究員をしている小川美香です。

先日記事にしたように、私はトゥルク大学とEUの共同出資プログラムSYS-LIFEのメンバーとして研究活動をしています。

先日、Induction day なるものに参加しました。馴染みのない単語だったので調べたところ、イギリスでは新学期の最初の１週間を、新しい環境に慣れるための導入期間としてInduction dayと呼ぶのですね。

インダクション・ディ：Induction Day

SYS-LIFEのInduction dayはメンバー同士、メンター、その他スタッフの方々が顔を合わせ、自己紹介を行い、制度について知識を深める等、もりだくさんの内容でした。

この日の様子がトゥルク大学のHPにアップされています。

New SYS-LIFE researchers had an introduction to University's premises and services at the orientation day

今日はSYS-LIFE induction dayのイベントレポートを書いてみたいと思います。

イベント開始は８時から

朝食としてサンドイッチとコーヒーが提供され、食べながら責任者からプロジェクトの概要を聞きます。日本ではあまり馴染みのない8時開始のイベントでした。フィンランドは終業時間が早いことで有名ですが、朝も早い印象を持っています。トゥルク大学附属歯学部病院も8時から診療開始です。

私は娘を保育園に送ったのち遅れて参加しました。

メンバーによる５分程度の自己紹介とプロジェクト説明

スライドなしで、5分程度の自己紹介とプロジェクト説明をするよう、事前にスタッフからお知らせがありました。

最初が肝心だと考え、5分の発表のために前日に約3時間かけて準備しました。

私の英語勉強法についてはこの記事に記載しています。

まず、英語で下書きし、AI搭載の英文校正ソフトGrammerlyで文法や言い回しをチェックしました。その後、英文読み上げソフトで読み上げてもらい、それをお手本にリダクションやリンキングする場所をチェックしつつ、音読します。

今回は、原稿を見ながらではなく、大筋を暗記してメンバーやスタッフの方の顔を見ながら話すことが目標でした。原稿を忘れても言い換えることができるように練習しました。

当日は、暗記した原稿80%＋その時のフィーリング20%で話すことができたので目標は達成できました。数名から面白い研究だね！という反響があり、内容を聴衆に届けることができたかなと感じました。

今後も訓練を積んでいって、原稿なしで自分の研究について自信を持ってプレゼンできるようにしたいと次の目標ができました。

スタッフによるミニ講義

マネージャーや担当教授からのミニ講義がありました。興味深かったのは、Career Developmentに関する講義です。SYS-LIFEはポスドクの技能向上とキャリア開発を促進することも重要な目的の一つに位置付けられています。そのためメンバーには1人メンターがつき、2人でポスドクの今後のキャリア目標を達成するために必要な計画を立案します。

今回は、EUが定めるResearch compと呼ばれる研究者が自身のスキルを同定し、評価し、発展させるためのツールについて紹介がありました。

ポスドク期間は雇用が不安定で組織への所属感が希薄になりがちだと感じます。今後のキャリアの進め方に迷っても、身近に良いメンターを見つけられるとも限りません。

そのため、現在EUがどのような研究者像を求めていて、その過程のうち現在の自分はどこに位置しているかを客観的に評価できるこのツールは有用だと感じました。次の機会に記事にできればと思います。

昼食を皆で

学生食堂に移動し、メンバー、スタッフ皆で昼食をとりました。思い切ってメンバーに話しかけ、自己紹介をしました。歯科医師免許を持つ研究者は私だけだったので、歯科についての質問で意外に盛り上がりました。「今まで何本歯を抜いたのか？」「歯科医は自分で自分の歯の治療をするのか」「全身麻酔から目覚めないことはあるか」などの質問を受け、体当たりで会話しました。

関係部署ツアー

理学部、PETセンター、コホート研究室、生命科学部などの関連部署を皆で回りました。機会がないと例え隣同士でも違う部署内に入ることはないので貴重な経験でした。

感想

同じ立場の仲間と、サポートしていただけるスタッフの方メンターの先生と会うことができ、自分はSYS-LIFEという組織に所属しているんだという安心感が生まれました。上でも触れましたがポスドクは孤独を感じやすい立場なので、このポスドクプログラムに滑り込めたことは幸運であり、貴重な経験をしていると感じました。

今後は月に1回の定例ミーティング等が続いていくのでまた記録に残していきたいと思います。

SYS-LIFEの名前入りノート、ステッカー、リフレクターが配られました。所属感が高まるとやる気が出ます。