薄給初心者ライター、単価を4倍にアップする
お仕事をもらえたはいいけれど
「これじゃ時給1,000円にも満たないな…」
ライターを始めて数カ月が経った頃のこと。
自分自身のサービスや業務委託など、ようやく継続してお仕事をもらえるようになったはいいものの、単価の低さに悩んでいた。
未経験ながら任せてもらっていたインタビュー記事は、今みたいにAIもなかったし、まだまだ経験が浅かったこともあって、文字起こしや構成作成、執筆、修正など、全ての工程に時間がかかっていた。
時給換算をすると300~500円がいいところだった。
もちろん時給が全てではない。初めのうちは単価に関わらず経験を積むのが大事だし、何より仕事をもらえることだけでもありがたい。
だけど、ずっとこのままの価格で続けていくのは厳しい。
早い話、持続性がないということだ。
「感謝と実績をもって交渉する」という発想
そこで、定期的にコーチングをお願いしていたメンターに相談してみた。実はその仕事も彼女が声をかけてくれて始まった案件だった。
すると彼女は驚くことを言った。
「交渉すればいいんじゃない?」
私は目から鱗だった。
どうやって交渉しよう、とひるんでいた私に、メンターはちょっとしたコツを教えてくれた。
「もういくつか実績もあるだろうから、感謝と実績をセットで伝えるといいよ」
「これは他の仕事でも応用できるけど、仕事を任せてもらっていることに感謝したうえで、これまでに書いた本数とかPV数とか、できる限り具体的な実績を提示する。そうすれば先方も前向きに検討しやすくなるからね」
たしかに「単価あげてくださいよ」とだけ言うのは気が引けるし、数字を提示することで私がどれくらい貢献できているのかを客観的に判断しやすい。
だけど、もしそれでも上げてもらえなかったら。心配性の私の胸に不安が渦巻いた。
「図々しいと思われないかな?」
「お金にうるさい奴だと思われないかな?」
「なんなら契約切られたりしないかな?」
つまるところ、私は「単価が上がらないこと」よりも「報酬について意見を言うのは良くないこと」「単価が上がらない=自分には価値がないと思われている」という勝手な思い込みから躊躇してしまっていたようだ。
そんな私の不安を払拭するように彼女は背中を押してくれた。
「仮に今回、単価を上げてもらえなかったとしても『この先どんな貢献ができれば報酬をあげてもらいやすいか』を教えてもらう機会にすればいいよ。それで先方はやってほしいことを明確にできるし、自分自身のスキルアップにもつながる。そのほうがお互いに良い循環になるでしょ」
気づくと交渉にあたっての不安要素はなくなっていた。
今回報酬が上がらなくても、このまま悶々としながら仕事をするよりはいい。
文面を何度も何度も推敲して、最後はえいや!と送信ボタンを押した。
メッセージを送るとすぐに「いつもありがとう!ちょっと検討します!」と返答があった。
「ああ、やっぱりだめだったかもしれないな、でも言わないよりはましか」なんて逡巡しては、送ったメッセージを何度も見返した。
翌日の夕方、先方から連絡が来た。
提案された報酬はなんと2倍。
一番初めに自分のサービスとしてインタビュー記事を書いていた頃と比べると、実に4倍にアップした。
単価をあげてもらえたことはもちろん、自分の仕事ぶりへの評価や信頼を感じられたことがうれしかった。
じゃあどうやって交渉すればいいのよ【テンプレート】
以下に私が実際に送った文面をちょこっと調整したものを掲載するので、よきように使っていただきたい。
実績はPV数や読者からの反響、購買につながったかなど、数値化できるものがあればできるだけ具体的に提示するのがいい。
このときは先方が「成果に応じて報酬を見直す」という条件をつけてくれていたので提案しやすかった。
ちなみにこの方法で他の職場やクライアントにも交渉してみたところ、ほぼ100%の確率で応じてくれた。
もちろん先方の資金状況や事業の方向性もあるので必ずしも上げてもらえるとは限らない。
だけど「いつになったら単価上げてくれるかな~」と指をくわえて待つよりは圧倒的に早い。
もしまだ実績が十分にない場合は「どうしたら役に立てるか」を考えてまずは貢献できる方法を地道に探そう。
交渉がうまくいかなくても、先方の要望をヒアリングするチャンスにしよう。
書き続けるために、報酬を見直す
単価を上げてもらう理由は「ただ待遇が不満だから」「お金をもっと多くもらいたいから」というだけではない。
ライターは書くことでクライアントの事業に貢献する。「報酬の見直し」は実績に合わせて適切に対価をもらい、これからもクライアントの事業に貢献し続けるための手段の一つにすぎない。
もし今よりも少しでも単価を上げてステップアップしたいと考えていたら、ぜひ交渉してみてほしい。
この記事が参加している募集
いただいたサポートは執筆のときのお茶代にします!