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みんなの知見を広げる勉強会のやり方

「私たちの仕事の進め方を、もっと良くしたい。でも、何からすればいいのか分からない。」
「業務改善のための勉強会をしているけれど、成果が限定的。参加していない人の業務改善にも繋げたいなのに…」
「仕事の勉強って、1人だと続かない。」
こんなお悩み、ありませんか?

そんなあなたにおすすめなのは、「仕事仲間との勉強会」です。
前回の記事では、「資格取得のための勉強会をチームメンバーとしたら、朝活が続いた」という話を紹介しました。
今回は、「業務改善にむすびつく勉強会の効果を、どうやって参加者以外へも波及させるか」をお伝えします。

今の読書会の様子

現在やっているのは、安藤健作さんの『メールマーケティングの教科書 誰でも成果を生み出せるメルマガの定石』の読書会です。

この本を、私1人ではなく他の社員と一緒に読み進めたいと考えたのは、ズバリ「サービスのメルマガのやり方に、『もっと持続的に成果を上げることができるのではないか?』と疑問を抱いた」から。
具体的には、そのメルマガの配信目的が受信者の状況に合っていなかったり、配信目的は合っていても受信者の関心を十分に引けていないケースがあるのではないか、と考えたからです。特に、普段からよくメルマガを配信し、それらの成果も確認している方から、「最近なんだかCTR(メルマガに置かれた、LPへのリンクをクリックしてもらえる確率)が下がっているんだよね」という話を聞いたことで、「なんとかしなくては!」という気持ちが高まりました。

そんなとき、某S社からメルマガを受信します。
そこで紹介されていたのが、先ほど紹介した『メールマーケティングの教科書 誰でも成果を生み出せるメルマガの定石』。それを読んで、「この本なら、私が感じているメルマガの課題を解決してくれるかも!」と期待を抱きました。

早速意気揚々と、同じ課題を抱えてる人、課題意識を持っている人に、「一緒に(業務時間内で)メルマガの成果を上げる方法を勉強しませんか!」と声をかけます。
「ぜひ」と乗ってくださる方もいらっしゃる一方、「興味はあるんだけど、業務時間内だと時間が取れないかな」という声もありました。先輩方からも、「効果はありそうだけど、勉強の仕方についてはもう少し工夫したほうが良さそう」とご指摘をいただきました。

この本を読み実践することは、サービスのメルマガを改善することに大いに役立つことを確信していました。とはいえ業務としてやらなければならないことがあるのに、それを放って読書会に参加するのは御法度です。
この本を通して学べることが、多くの同じ職種の方々に好影響を与えることは分かっていましたが、ひとまず都合のつくメンバーで読書会をすることとしました。

そして迎えた読書会初日。本を読むこと自体は1人でできることなので、序章を各自で読んでもらってきて、感想を共有することを会のメインとしました。会の流れはこんな感じです。

  • 自己紹介(互いに面識のなさそうな人もいたため)

  • 序章の内容の振り返り

  • 各自の感想紹介

  • 各自の感想へのコメントや質問、知見共有

これまでにもこのような進め方で読書会を行ったことはありましたが、実践方法を思いつくような学びを得られたと実感することはあまりありませんでした。そのような課題意識はながらも、今回も同じような進め方になってしまったのは、自分自身にその本で扱われている内容に対する知識があまりなかったことと、事前準備を行う時間が取れなかったためです。そのため、せっかく良書を読むのに、そこまで効果が発揮されないかもしれないという心配がありました。

しかし、そんな心配とは裏腹に、序章を扱った読書会は盛り上がりを見せました。
感想共有とそれに対するリアクションが思った以上に活発化し、互いの感想に対する共感だけではなく、すでに持っている知見の共有や質疑応答までが行われました。その結果、書籍から学び取れることだけでなく、互いの業務で得た知識までも知ることができ、ただ1人で読書をするよりも、学べることがありました。

そしてそうして得た学びを、読書会の参加者だけにとどめてしまうのは、大変惜しいことであると感じました。
幸い、そこで話されている事をリアルタイムで文字起こしして議事録にまとめることが得意な私は、読書会での参加者の発言をほぼすべてメモしていました(チームメンバーからは、議事録botと呼ばれることもあります)。
それらを要約したものを、サービスでメルマガ配信に関わっている人たちに共有しました。そうすることで、読書会には参加できないけれども改善策を知りたいと考えている人にも、良い影響が行き渡ると考えたからです。

しかしそこでまた、いい意味で私の予想を裏切る事態が起きました。
というのも、読書会には参加しなかったが関心のあった方から、「これについては、この方法を使うことで、さらなる効果を生み出すことができるのではないか?」とコメントをいただけたのです。これは本当に、思いもよらぬ嬉しい展開でした。

読書会の好影響を広げるために

読書会で、ただ1人で本を読むよりも効果を生むために大切なのは、これまでの経験との比較から察するに、以下のようなことだと思います。

  • 同じことに対して課題意識や興味関心のある人と一緒に行う

  • 参加者のレベルに合った書籍を選ぶ(その書籍で学んだ内容を実践している自分や参加者を想像できる)

  • 些細なことでも発言できるような場づくり

  • 話された内容はメモをとる

  • 参加者以外でも、同様の課題意識や興味関心のある人の参考になりそうな内容があれば、要点をかいつまんで共有する

中でも大切なのは、課題意識を共有できていることと、学んだ内容を実践している自分たちを想像できることです。「理想論として言っていることは理解できるけれど、具体的にどう取り組めばいいのか分からない」と感じる内容では、書籍の内容から真の意味で学ぶことが難しい上に、とにかく本を読んで勉強していますというポーズを摂るだけで終わってしまいます。

過去に参加した読書会でも、正直レベルが高かったり、あるいは扱われている内容の抽象度が高くて現実に落とし込みづらかったり、そもそも参加者の問題意識が乖離していたりと、「確かに何らかの知識を得てはいるけれど、自分はこれをどう活かしたらいいんだろう」と感じたことがありました。
そうした過去もあり、読書会で参加者や関心のある人に対して好影響をもたらすには、上記の内容が大切になってくると考えています。

もし「業務改善のために、仲間と勉強をしたいな」と考えている方がいましたら、何か少しでも参考になれば幸いです。

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