The end of their life. 109 ビリー・ホリデイ
The end of their life. 109
ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)
(1915年4月7日-1959年7月17日)
アメリカのジャズシンガー。
アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア生まれ。
父は旅するジャズギタリスト。母は娼婦。
幼い頃から両親に育てられることはなく、親戚の家や保護施設を転々としていた。
15歳の時にデビュー。幼い頃会いに来た父が、男の子みたいな彼女をからかって「ビル」と呼んでいたので、そこに父の姓をつけて「ビリー・ホリデイ」という芸名にした。
黒人女性として初めてカウント・ベイシーやアーティ・ショウなど白人のオーケストラと共演。人種差別の激しい当時のアメリカでは画期的なことで、楽団員と一緒のホテルを予約することやレストランに入ることは許されなかった。
1939年に『Strange Fruit(奇妙な果実)』が、1941年には『Gloomy Sunday (暗い日曜日)』がヒット。ところがこの頃からヘロイン漬けになり、「契約を守らない」「よく舞台に遅れる」「歌詞を間違える」と言われるようになった。
1947年、大麻所持により逮捕。その後服役を繰り返す。
ドラッグや肝硬変、腎不全で肉体を蝕まれながらも活動を続けたが、1959年7月17日死去。44歳だった。
生前、エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンほどの知名度はなかったものの、人種差別や性差別と闘い歌い続けたビリーは20世紀で最も偉大な歌手の一人に数えられている。1994年には、合衆国郵便公社からホリデイの記念切手が発行された。なお、名曲『Left Alone』はホリデイの詞に生前ピアノ伴奏を務めたマル・ウォルドロンが曲を付け、彼女を追悼したものである。
柔らかく温かい歌声からは想像できない人生だ。
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