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『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

久々に、最近観た映画について書きます。
あの、有名な『チャーリーとチョコレート工場 』(Charlie and the Chocolate Factory)
の主人公ウィリー・ウォンカの若き日を描いた作品『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(Wonka)について。

この作品、前作と登場人物が被っているとはいえ完全にオリジナルの形をとっているので、『チャーリーとチョコレート工場 』を全く鑑賞したことない人でも面白く観ることができそうと思いました。

ウォンカがチョコレート工場を建てるべく幾多の困難を乗り越えていく様子が、ファンタジー風味な色彩と愉快な音楽と共に楽しげに描かれていて良作。

正直、続きものなので駄作かもしれないという可能性も捨てきれないと思っていたので全く期待感ゼロで観たのですが、なんやかんや引き込まれ楽しかったです。

公開時は、クリスマスシーズンの目玉作品として宣伝されていたのも納得。

主演を務めているティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)は、最近だとDune の新作で目にしたばかり、全く雰囲気が違う役で新鮮だし上手く演じていて良い俳優だなと思いました。

発想を得ている原作は元々イギリスの児童文学に位置する。なので、ファミリー映画の位置付けに分類されているんですよねこの作品も。

ただ、観終わったあと思ったのは子供向けとはいえ世の中の不条理をしっかり描き現実主義的な話だとすごく感じましたね。音楽や絵が楽しくてみんな仲良くて、それをバックにどんどん上手く行ってみたいな夢物語だけの話ではない。

どんどんお店が大きくなってみたいに現実ではなかなか難しいではないですか……その過程で、それを蹴落とそうとする人がいたりとか、その純粋な心を手玉に取り落とし入れ自分達が操り良いようにしてやろうとかいう奴らが現れる。

そういう部分をおとぎ話と見せかけてちゃんと話として入れてあるというのが、非常に現実主義的。

今は、情報化社会でイギリスなんかでも子供でも大人以上に巧みにデジタル機器を使う子なんかもいます。そのため、夢物語だけ話しても大人顔向けに「嘘でしょ」なんて言われてしまう背景がある。昔以上にそうなっている。少し頭がある子に対しては全くごまかしが効かない。見破られてしまう。

だからこそホリデー時期のファミリー映画、尚且つおとぎ話風の話でも現実を見せるんだろうなと。

大人で修羅場みたいなことを経験している人は、ある意味現実逃避としてファンタジーを用いるのですが、その逆で現実見せてよと思う子供もいる。と、いう意味では年齢に境界がさほどないとも捉えられる。

この『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(Wonka)は、そういう両方の感情に上手に照合できている作品のように思いました。そういう点も非常に良くできている。

前作に引き続き映像と音楽を使い惹きつける要素もあるし、何度かほっこりと心温まる場面もある。色々な感情に配慮してあり、子供も大人も楽しめる作品に仕上がっていると思いました。新しさもあるけどその反面で、昔の文学作品やミュージカルっぽさもあり、作家さんリスペクトもすごくしてるなという部分も良さですね。

ただ、逆に言えばすごく原作のファンとか一定の作品の文学ファンとかはちょっと嫌かもしれないなと…。そんな感じなので、強い拘りがそこまでない人だったら楽しんで観れる作品に思えました。

英語学習している人は、Netflixで気晴らしに英語字幕をつけて観るのもおすすめです!

映画レビューもたまに書いています。
気晴らしや英語学習の参考にもどうぞ。
こちらにまとまっています!


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