映画『イン・ジ・アース』
映画『イン・ジ・アース』を観た。
私は、これすごい心を持っていかれた。
まあ、好みは選びそうなんだけどアートフィルムに心惹かれたり現代美術を観るのも好きとかそんな人は気に入りそうな映画と思う。
ただ、すごい気狂いなキモいオッさんが拷問じみた痛々しい事をする描写がきついため、そういうのがダメな人は辞めた方が良い作品だと思った。
けど、これは本当の話がベースなのではと私はたまに心をよぎった為に余計に目が離せなくなったんだと思う。
手に負えないほどの狂気を持ち人の形をした悪魔を、人里離れた場所に放つ。それは歴史を見るとよくあること。
それなので、私はそういう場所は避けるようにしている。何が行われていたか分からないので。
現代の常識では見られてはいけない儀式を行う人がいたとしても、それは彼らにとっての常識とかそんな事は全然あり得る話だからだ…
まあ、結構歴史を振り返れば宗教とかいう名の下にありえない残虐な事をしてきたそんな一面が人にはあるので怖い事だ。
そんな事を考えるとこれはホラー映画に分類されるのかなという気もする。
けれども、この題名 『In the Earth』は観終わったあと、すごくしっくりきた。
人も自然の一部だからね。
いろいろと研究したりして、科学技術を用いて創造している人間だけど結局は自然の中にいるってこと。
科学技術は時として、自然に反したものとされ地球環境を壊すものと言われることもある。そして、「人」という自然に逆らっていると言われることもある。
だからこそ、悪魔の面も持っていると捉えらえる。しかし、そんな科学でさえ地球の中から誕生した人類によって繰り出されたもの。
そして、科学では全て人の身体の神秘が解明されていないように自然も地球も同じだ。そして、それを構成する根源は全て同じで宇宙に帰る。
人なんてすごくチッポケなんだ。
人という生命体に「毒」があるので当然、自然にも毒がある。相互に関わり合う必ずや。
美しさだけで構成されているものなどない。
この舞台の森の中でトリップし幻覚を見たり精神が分裂したり大きな光を見たり…
ある意味、地球の中の様子。
In the Earth である。
そしてこの Earth という単語。
地面を構成する土壌の意味もある。
土壌と我らは共生しているともとれて、毒と思われるものとも知らず知らずに共生しているはずだ。
これはどうも、コロナの間に撮影したらしくそういった意味でもリンクした作品かなと…
パンデミックは何か?という問いかけだなとも。
恐ろしくイカれたように見えるけど、そんな一面とも共に共存している事を見せる映画がこの『イン・ジ・アース』と思いました。
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