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私の人生を変えた映画「君の膵臓をたべたい」

人はただ生きているだけで、知らず知らずまわりから様々な影響を受けたり逆に与えたりしますよね。それが生きるということなのかも(?)。

今回は、私の人生を変えた映画をご紹介。命の尊さや生きる喜びについて考えさせてくれる、とても儚くて美しい映画です。ご興味あればぜひ。

君の膵臓をたべたい

なかなか不穏なタイトルですよね。まずタイトルを聞いて思い浮かぶのは、ホラーか焼肉かといったところでしょうか。タイトルの意味はひとまず置いておくとして、2017年に公開されたこちらの作品では、当時まだ17歳の浜辺美波の透明感と初々しい演技を存分に堪能することができますよ。

あらすじをめちゃくちゃざっくり言うと、高校生である主人公の僕(北村匠海)とクラスメイトの山内咲良(浜辺美波)の淡い恋物語です。

ただし、これはただの恋物語ではありません。なぜなら咲良は膵臓の病を患っているからです。しかし、ありがちな病気モノでもありません。これ以上言うとネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、私は記念すべき第1回目の鑑賞時、驚きすぎて時が止まったかと思いました。

「・・・・・・・・・・は?」

という表現がぴったりな、この映画を観た人なら誰もが絶対にわかるであろう、とあるシーンを観た時のあの衝撃よ。

そして、束の間のフリーズ後にやってくるのは大混乱。「待って」「そんなことある?」「嘘やろ???」心の準備をする間もなく、その瞬間は唐突にやってきます。ようやく状況を理解した頃には、もう涙が止まりませんでした。

それは一体どういう種類の涙かをあえて表すと、悲しさ、怒り、虚しさ、やるせなさ、恐ろしさ、気持ち悪さが混ざりあった類のものだったような気が。私は大号泣する一方で「これはただの作り話ではなく、現実でも起こりうる普遍的なことなんだろうな」とどこか冷静に受け止めていた記憶があります。

そして映画を観てから数日が経ったある日、私は体調不良で仕事を休み、ベッドで横になりながらぼんやりと考え事をしていました。「最近、北朝鮮からはミサイルがどんどん飛んでくるし、あの映画みたいにいつどこで何があるかは誰にもわからんよな。京都に住んでちょうど10年かあ......」そして次の瞬間、こう思ったのです。

そうだ 東京、行こう。

「前から気になってたし、もう思い切って住んでみよう!」と、雷の如くいきなり閃きが。当時いくつかあった仕事は全て辞め、その1ヶ月半にはシェアハウスを契約。私は友人たちに別れを告げ、憧れの東京ライフをスタートさせました。

辛うじてあるのは家だけで、友達や頼りになる人は誰もいない。土地勘もなければお金の余裕だってない。ないないづくしな状態でしたが、住めば都とはよく言ったもので結論なんとかなったかなと。

それから東京には2年と5ヶ月住み、たくさんの出会いや思い出ができました。あの時思い切って上京したのは、結果的に正解だったと思います。もしあの夏、あの映画を観ていなければ。私は上京していなかったかもしれません。

というわけで、とある20代女が上京するきっかけになった「君の膵臓をたべたい」。もちろん人にもよりますが、泣きすぎて頭が痛くなる可能性は大。神様の不公平感にしんどくなったり「当たり前なことって何ひとつないんだな......」と、なにげない日常にあらためて感謝したくなる、そんな映画です。鑑賞時には、ぜひタイトルの意味についても考えてみてくださいね。

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