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誕生日プレゼント

20歳を迎える時と一味違った緊張感。
20代最後のこの一年が、人生でとっても大切なポイントになる気がして、旅に出た。
もちろん、自分へのご褒美も兼ねて。

「誕生日に時間を送ろう」

そう思いついたのは、数か月前。
いつまでも20代を走り続るものだと思っていたら、29歳。
30代目前。

30という数字には、何故か重みがある。
立派な大人になった気分、というか。
子どもの頃、30はもう、すっごい大人だった。

実際のところ、中身は変わらない。
それでも、成人して8年「大人」を続けていたりもする。
20歳を迎える時と一味違った緊張感。
20代最後のこの一年が、人生でとっても大切なポイントになる気がして、旅に出た。
もちろん、自分へのご褒美も兼ねて。

行先は、山の上ホテル。
北欧暮らしの道具店制作の『スーツケース・ジャーニー』を観てから、ずっと憧れていたホテル。

部屋のデスクには一輪のバラ。
その佇まい、こちらの背筋も伸びる。


私の中にある沢山の『これから』を書き出しながら、整理。
空気が温かく穏やかで、まるでお家に居るかのよう。
おかげで思考が沢山に巡った。

2日間の時間は驚くほど緩やかで、日常で忘れていたものがちゃんと私に帰ってくる感覚がした。
別れ際、扉が閉まるその瞬間まで…そっと心の宝箱にしまう。

今もたまに取り出して、眺める。
大切な時間。

次に来る時は『これから』を小さくても形にしていたい。そんな決意も込めて。
帰る場所がまた一つ、増えました。

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