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FF7空想科学妄想語り① 〜JENOVAとは何か?〜

どうも!
今日は妄想語りなどをしてみたいと思います。このシリーズでは、現代科学知識を絡めてFinal Fantasy VII (FF7)というファンタジー世界の世界観設定についての理解を試みていきます。

題して、『FF7空想科学妄想語り』!!

ゲーム内の描写から導き出される正しい解釈というよりも、こんなメカニズムが働いていたら面白くない?という感じのお遊びですので、お気軽にお付き合いください。


第1回目のお題は「JENOVAとは何か」です。
考察というよりは自分自身の頭の整理のための備忘録で、まだ調べが足りないため間違っている箇所もあるかと思います。その点ご容赦ください。
(*おそらく未プレイのダージュオブケルベロス内の情報を集める必要がある)

記事内略称一覧:FF7(Final Fantasy VII)、CC(クライシスコア)、CCR(クライシスコアリユニオン)

まずは、攻略本CCアルティマニア、攻略本FF7アルティマニアオメガ、設定資料集FF7リメイクアルティマニアおよびゲーム本編(主にFF7リバース、FF7CCR)での記述をもとに、JENOVAについての基本事項を以下にまとめます。

1. 基本事項の確認

JENOVAの定義
FF7に登場する、星のエネルギーを取り込むことを目的とする宇宙生物。面前の相手の精神に干渉し、幻覚を見せる能力、記憶を読み取る能力、自身とは別の姿に擬態する能力を持つ。
自身の敵を排除するために、上記の能力を用いて敵を撹乱し、またウイルス(注1)を感染させることで相手を殺害する。
肉体の一部を分離することができ、本体から分離した肉体の部分同士は互いに引き合い、いずれ再融合(リユニオン)する。再融合の中心点が存在する。

< 注1 >
これは最後の純血古代種イファルナの発言に依拠した記述ですが、JENOVAが標的を殺害する目的で「ウイルス感染」という手段を実際にとったかどうかは現時点では明白ではないと私は考えます。

JENOVA発見の経緯
およそ2000年前に当該惑星に飛来した宇宙生物JENOVAは、そこに住む、古代種“セトラの民”と呼ばれる人間たちを排除するために、古代種の女性の姿に擬態し、彼らと争った。JENOVAは古代種により、擬態姿のまま地中深くに封印された。
のちに神羅カンパニーの科学者ガスト博士がミイラ状態のそれを発見し、JENOVAと命名した(ケルト語でJenovaは「民族の女性」などの意味がある)。発見当初、JENOVAは古代種と誤認されていた。
それというのも、ガスト博士が発見したJENOVAは銀髪の美しい女性の姿だったからだ。しかしこれは擬態した姿であり、宇宙生物としてのJENOVAの姿ではない。

【JENOVAの研究利用】
JENOVAがガスト博士によって発見されたのち、JENOVAを古代種と誤認したままいくつかのプロジェクト(下記参照)がスタートする。それらの主な目的は、JENOVA細胞を胎児や成人に移植することで、レシピエントの能力を向上させることである。

  • ジェノバ・プロジェクト(by ガスト):古代種と同等の能力を持つ種族を作り出すことを目的としており、下記のような派生プロジェクトに分かれる。

  • ジェノバ・プロジェクト・G(by ホランダー):JENOVA細胞を移植した女性(元神羅の科学者ジリアン)に子を産ませる、またはジリアンと無関係の受精卵から発生した胎児にジリアン因子を移植することで、JENOVAの能力を持った人間を作り出すことを目指していたが、生まれた子どもらの生残率の低さ及び「数値」(詳細不明)の低さから失敗とされたプロジェクト。アンジールとジェネシスが生み出された。

  • ジェノバ・プロジェクト・S(by 宝条):プロジェクトGの失敗を受け、改良されたプロジェクト。胎児にJENOVA細胞の移植を施し、発生のより早い段階からより高純度のJENOVA細胞に曝露したもの。その結果生まれた子であるセフィロスは期待通りの高い「数値」を示した。

  • ソルジャー作成:JENOVA細胞を移植した人間に魔晄を照射することで、肉体能力の強化を図る。パッシブ型とアクティブ型があるが詳細は不明。


これらに加え、JENOVA細胞を移植された人間から採取した細胞などを、さらに別の生物に移植するケースがある。

  • ソルジャー・ツヴィエート:神羅の地下実験施設ディープグラウンドにて、ソルジャーにジェネシス因子を注入しさらなる強化を図ったもの。

  • ジェネシスコピー:ジェネシスの細胞をソルジャーに移植し、その見た目と能力を変化させたもの。

  • アンジールコピー:アンジールの細胞を動物(?)などに移植し、その見た目と能力を変化させたもの。

  • セフィロスコピー計画(by 宝条):宝条のリユニオン理論の実証のための実験。ソルジャー適正のない人間(クラウド含む事件の被害者たちの生き残り)またはすでにソルジャーとなっている者(ザックス)にセフィロス細胞(注2)を移植し魔晄を照射する。

< 注2 >
移植した細胞がJENOVA細胞かセフィロス細胞かについて資料によって食い違いがある。
FF7アルティマニアオメガには、「ニブルヘイムの事件後、首のないJENOVAの肉体から採取した細胞を移植に用いた」と記載されている。
一方、CCアルティマニアには「(一度しか細胞移植の機会がなかったはずの)クラウドはS細胞の数少ない所有者」という記述があることに加え、FF7リバースで「宝条がセフィロスから毛髪、血液、皮膚を採取していたこと」「ソルジャー2ndローチェに『今や貴重なオリジナル』である組織片を移植し、SC4の入れ墨を施したこと」が明らかになっている。
これらの情報を総合し、より新しいソースからの情報を優先してセフィロスコピー計画で使われたのはセフィロス細胞であると考えた。

2. 生物としてのJENOVAとは

次に、JENOVAの定義や能力から、その「生物としての真の姿」を妄想を交えて考えていきたいと思います。
完全に私の趣味の妄想なので、真に受けすぎないでください。あと、どこかですでに正解が明かされていたらごめんなさい(笑)

推測① JENOVAは粘菌のような生物?
JENOVAが生物である以上、自己と他者の境界線がある程度明瞭で、自己増殖が可能な存在であると考えられる。ただし、別個の個体との交配ではなく、星のエネルギーを吸収し、肥大と分裂を繰り返すことにより生存範囲を拡大させていくのではないか。
哺乳類などではなく、真正粘菌(単細胞アメーバ状・多数の核を持つ巨大アメーバ状・胞子を飛ばす子実体の3つの時期を繰り返すライフサイクルを持つ)に近いと思われる。自身の姿を変形させることができる(擬態能力)ことからも、真の姿は不定形の生物(例えばアメーバのような)であると考えられる。
また、星と星の間を移動できることから、その生存に酸素、水といった要素は必要ではない、または必要のない形態を取ることができる。さらに、およそ2000年の間仮死状態を保つことができることから、その生存に活発な代謝は必要ではない、または必要のない形態を取ることができる。

推測② JENOVAは精神エネルギーを加工・操作できる?
ブーゲンハーゲンによる星命学の理論で言えば、すべての生物は肉体と精神から構成され、生命活動終了時にはそれらは完全に分離し、別々の経路でリサイクルされる。すなわち、物質である肉体は分子や原子にまで分解され、物質としての循環に乗る。精神はライフストリーム内にすべて集められ、そこで自己と他者の区別を失って、ライフストリームの奔流の一部に組み込まれる。
1) JENOVAやその細胞を移植された生物が積極的に他の生物を食べる描写がないこと、2) JENOVAは星に衝突した際に集まるエネルギーを摂取すること、3) FF7無印でセフィロスがメテオを衝突させ星の傷口にライフストリームを集めようとしたことから、JENOVAの摂取対象はライフストリーム=精神エネルギーだと考えられる。すなわち、JENOVAは精神エネルギーを感知し、吸収・代謝・同化することができる。

さて、ここから先に進む前に一つ定義をはっきりさせておかなければならないことがあります。そもそも「精神エネルギーとは何か」です。

3. FF7における「精神エネルギー」

FF7作品世界に登場する概念として中心的存在であるライフストリームについて、定義のすり合わせをしておく必要があります(私の脳内で)。
物質なの?非物質なの?どっちなんだい!

結論から言えば、FF7におけるライフストリームは実体のある物質であると考えた方がよいと思われます。

以下に、その主な根拠を述べます。

  • 神羅カンパニーがライフストリームを加工して魔晄を生成していることから、ライフストリームはそもそも不可触のものでは無い。

  • ライフストリームはエネルギーに変換可能である。

  • ライフストリームを濃縮して結晶化することができる。

さて、物質といっても色々ありますね。
岩みたいに大きなものから、タンパク質やアミノ酸くらいの小さなものなど様々です。

ここでは、ライフストリームを構成するのは、未知の素粒子の一種<素粒子X>であると仮定します。
現代物理学では、あらゆる元素は素粒子から成り、あらゆる力は素粒子を媒介として生じると考えられています。FF7の世界の元素の構成要素の一つに素粒子Xがあり、素粒子Xは「情報」を担っていると考えてみましょう。

情報というものは単純なものから複雑なものまで様々なレベルで定義されます。
「物質及びエネルギーの時間的・空間的・定性的・定量的な振る舞い」「その振る舞いのパターンの記録」「意味を持った記号の集まり」(後ろにいくほど複雑な情報)といった感じです(注2)。
単一の素粒子Xに記録されるのは単純な情報に過ぎないけれど、似たような情報を持つ素粒子X同士は引き寄せ合う性質がある。素粒子Xがたくさん集まると単純な情報の組み合わせが生じ、より複雑な情報を担うことができる…
そのように仮定すると、さまざまな事柄の理屈をすんなりつけられるようになるのです。

< 注2 >
参考:https://mediaresearch.blog.jp/archives/1862039.html

あらゆる物質は素粒子によって構成されるわけですが、物質とエネルギーは等価交換できるという考え方が現在では主流のようです。最近では、そこに情報が加わり、物質・エネルギー・情報が宇宙を構成する3つの大きな要素であり、相互変換が可能であるという考え方があるのです。
そのため、情報を保存・伝達する際に働く未知の素粒子が存在するのではと考えてもさほど突飛な飛躍ではないかもしれません。

今はまだ見つかっていない、情報を保持する素粒子(ここでいう素粒子X)がライフストリームの正体であり、FF7の世界の「精神エネルギー」とは素粒子Xの持つ情報そのものである…というのはなかなか楽しい空想です。

そう、あのライフストリームの緑色の輝きは空気中分子に素粒子Xが衝突して生じるチェレンコフ光だったのだ…!はい、楽しい。


…とまあそれはさておき、次は「情報を保持する素粒子X」という架空の存在をFF7の世界に組み込んでみることにします。

生物の体を構成するあらゆる元素の中に、この素粒子Xが含まれていて、生物が死に、肉体が分解される過程で放出され、最終的にはライフストリームに回収されます。
死後しばらくは同じ肉体由来の、似たような情報(その生物が経験した事柄など)を持つ素粒子同士が集まっているのですが、周囲に多数の素粒子Xが存在すると、他の粒子からも引っ張られるために元々の結びつきが次第に弱まり、最後は拡散する…
生物の生きた記憶・個人の体験というナラティブな情報には由来によって多数のパターンが存在しますが、火が燃える・水が凍るといった物理現象などについての情報はどの由来であってもブレのない強固な情報だと考えられます。そのため、ライフストリームという情報の奔流の中で掻き回されるうちに、物理現象や生命現象といった法則についての情報に関する素粒子同士が次第にまとまり、極限まで凝縮されることでマテリアが出来上がる、と。
このように考えると、FF7の世界で「魔法」のマテリアはあっても「誰かの記憶」のマテリアがないことに説明がつく気がします。

先ほど述べたように、物質とエネルギーは等価交換の関係にあるようですが、エネルギーと情報もまた同様の関係にあると予想されています。
一つの情報を作るのにたくさんのエネルギーが必要であることを考えれば、情報を「分解」する際に発生するエネルギー量は莫大でしょう。
神羅カンパニーは「素粒子Xの壊し方を発見したため、素粒子Xで構成されたライフストリームを効率の良いエネルギー資源として活用できるようになった」という仮説も成り立ちそうです。

さらに、FF7の舞台である星の生物は、「多数の物質粒子 + 少数の素粒子X」で構成されるとすると、”魔晄に浸す”とは体内の素粒子Xの量を増加させることを目的とした処置に他ならないと言えるでしょう。
適量の情報はその生物の生存率を高めるものの、過剰な量の情報があると異常な発育を示したり凶暴性を増す…すなわちモンスターになってしまうのかもしれないです。

また、素粒子Xと同様に情報を保持するものの、異なる性質を持つ「素粒子Y」も存在するかもしれません。
「ギ族」たちが素粒子Xではなく、素粒子Yを持つ生物だとしたら、死後もなおライフストリームに受け入れられることのない(彼らの素粒子Yは素粒子Xと引き合わないため)ことも説明がつくのではないでしょうか。

精神エネルギー=素粒子Xという珍説について長々と語ってしまいましたが、そろそろここらで本題に戻りましょう。そう、JENOVAです。


4. JENOVA細胞の特殊性と移植の効果

基本事項【JENOVAの研究利用】で述べたように、神羅カンパニーではJENOVA細胞を人間などに移植してその能力の向上を図る一連の研究プロジェクトがありました。

各プロジェクトの内容から判断すると、JENOVA細胞の性質は下記のようなものであると言えます。

  • JENOVA細胞は胎児及び成人の体に移植することで、宿主の肉体に変化をもたらす。

  • 移植時期が早い方が宿主の肉体の変化が大きくなる。

  • JENOVA細胞の移植によって変質した宿主の細胞をさらに他の生物に移植することで、JENOVA細胞の移植と似たような効果をもたらすことができる。

  • 「細胞」そのものの他に、似たような作用を持つ「因子」が存在する。

しかしながら、JENOVA細胞という、人間と全く異なる構造・機能を有しているであろう細胞は、いかに早期の胎児期に移植されたとしても元々の細胞と共に胚を作り、正常な機能を有する各種臓器の発生に寄与するとは思えません。
また、FF7リメイクの神羅ビルの実験施設「鑼牟」では機械を対象にしたJENOVA細胞の移植が行われていたようです。機械に細胞移植…?

これら数々の疑問をねじ伏せる、ファンタジーかつ科学的な理屈を考えてみたいと思います。このために「素粒子X」という設定を導入しました。

素粒子X、素粒子Yなどそれぞれの星または世界によって情報を保持する素粒子にバリエーションがあるという仮定について先ほど述べました。そこで、それらを全てまとめて「情報素粒子」と呼ぶことにします。
JENOVAはライフストリーム = 情報素粒子を食べながら宇宙を渡り歩いてきた生物であるとすれば、JENOVAの持つ固有の情報として、情報素粒子を集めて1箇所にとどめておく機能があると考えられます。

JENOVA細胞とは、その「JENOVAの持つ固有の情報素粒子の塊」であるわけです。
これを移植することで、レシピエントの体にも情報素粒子を集めて留めておく機能が付与されます。その後、この星の情報素粒子である素粒子Xを高濃度に含む魔晄を照射した際に、より効率よくより大量の素粒子Xを捕捉することができます。その結果、それまでレシピエントの中には存在しなかった情報がインストールされることで、肉体の新しい使い方ができるようになる…と考えることができます。

例えば、遺伝子改変を介さずにスプライシングパターンを変える、多量体の形成パターンを変えるなどによって、他の生物の筋繊維を作るタンパク質の配列を真似たものを人の体でも作れるようになり、より強く速く収縮する筋肉を手にいれる…なといった可能性が特に想定されます。
そのニュータイプのタンパク質が代謝の過程で血中に放出されれば、医師でも正体を同定できない物(凝集塊など)として見つかる場合もあるでしょう。
元々の肉体がうまく代謝できないタンパク質はいずれ悪さをします。血管を詰まらせ、組織にダメージを与え、臓器の機能を阻害します。
ソルジャーの肉体的な劣化とは、このような”異常タンパク質”の蓄積の結果なのかもしれません。
(現実世界での異常なタンパク質が悪さをする実例としては、分解がうまくいかなくなったアンドロゲンレセプターの蓄積によって神経細胞が傷害される例があります。)

移植されたJENOVAの細胞はレシピエントの肉体の中で増殖することもなく、異物のまま居座り続けているのだと思います。JENOVA細胞の移植だけでは肉体改造に足りないのでしょう。
そして、それが目的でもないのです。
JENOVA細胞の移植の目的は、あくまでもその後照射する魔晄の吸収率を飛躍的に向上させるための前処置なのです。
そして、JENOVA細胞そのものというよりはそこに含まれる「JENOVA固有の情報素粒子」が鍵であるという視点に立つと、その素粒子が含まれる体液などでも同様の作用が引き起こせるでしょう。とすれば、JENOVAの研究で用いられていた「因子」とは「JENOVA固有の情報素粒子」と言い換えても良さそうです。

神羅で行われた実験はいずれも、JENOVA細胞または因子の移植が先で、その後に魔晄の照射が行われています。逆のパターンがないことも、上記のような仮定に基づいてみると比較的筋が通っているのではないでしょうか。

さらに、アンジールの母ジリアンはJENOVA細胞の移植だけを受けているようですが、彼女はソルジャーたちを悩ませる劣化現象に煩わされることなく生存していたように見受けられます。
JENOVA細胞の移植によって情報素粒子の吸収・定着の効率が上がっていたとしても、日常的な曝露量では肉体の変質を引き起こすほどではなかったのでしょう。

先に述べた、JENOVA細胞の機械への移植実験も、細胞が移植先で定着・増殖することを期待しているのではなく、あくまでも情報素粒子の運び手として細胞を使っている子だとすれば納得できそうな気がしてきました。
物質とエネルギーの振る舞いに影響を与える法則こそが情報なのですから、レシピエントが生物である必要はないのです。


…いかがでしたでしょうか?
科学知識とファンタジー設定の魔融合による屁理屈ワールド、『空想科学妄想語り』。

FF7に出てくる星を巡る精神エネルギー・ライフストリームの本態が、情報を保持する機能を持つ未知の素粒子であるという仮説をぶちこんでぐつぐつ煮込んで見ました。

コピー能力だのフィーラーだのの解釈にもこの理屈が通用するか!?
次回以降に挑戦してみたいと思います。腕が鳴るぜ。

それでは今回はこの辺でお開きといたします。

最後まで読んで下さった奇特なあなた!
どうもありがとうございました♪


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