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【インプット・ルーティン/菅付雅信 】本語り#16

はじめに

インプットの量について語る本は多いけれど、インプットの質について語る本は少ない気がしています。
著者の菅付雅信さんは、クリエイティヴ教育に携わっており、「すぐに役立つノウハウではなく、普遍性と汎用性のあるクリエイティヴ教育のメソッドをまとめたい」という思いでこの本を執筆されました。

人は簡単にクリエイティヴにならないし、簡単にクリエイティヴになったつもりの人の多くは、長くそれを維持できない。

はじめにで語られているこの言葉が、深く深く胸に突き刺さりました。
デザイン・音楽制作・執筆と創作する者として、とても納得する言葉です。
周りを見渡すと、一発素晴らしいものを作っても、それを維持することができないクリエイターは多く存在します。
長きに渡って活躍している方は、やはり大量の、しかも良質なインプットをされていることを肌身で感じます。

私自身、「長く活動するためには、インプットし続けて、引き出しを増やし続けなければいけない」と思っていたところでした。
ただ、インプットの量を増やすだけではなく、「インプットの質も大事」ということを見落としていたことに気付かされました。

クリエイティヴ教育に携わるなかで、それに関する本や文献を貪欲に読み込んできた菅付さん。
観るべき映画、読むべき本、音楽、雑誌などを惜しみなくリストアップされています。
このリストを見ただけでも相当なインプット量を保っておられることが伺えます。

【こんな方におすすめ】
・クリエイティヴになりたい
・これからも長く創作活動を続けたい
・自分が属する分野以外も良質なインプットをしたい

新しい年も始まります。
2025年は「良質なインプットを大量に行う年」にしませんか?


著者について

編集者/株式会社グーテンベルクオーケストラ代表取締役。
1964年宮崎県生まれ。『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務め、現在は編集から内外クライアントのコンサルティングを手がける。
写真集では篠山紀信、森山大道、上田義彦、マーク・ボスウィック、エレナ・ヤムチュック等を編集。坂本龍一のレーベル「コモンズ」のウェブや彼のコンサート・パンフの編集も。アートブック出版社ユナイテッドヴァガボンズの代表も務め、編集・出版した片山真理写真集『GIFT』は木村伊兵衛写真賞を受賞。著書に『はじめての編集』『物欲なき世界』等。
教育関連では多摩美術大学の非常勤講師を4年務め、2022年より東北芸術工科大学教授。1年生600人の必修「総合芸術概論」等の講義を持つ。
下北沢B&Bにてプロ向けゼミ<編集スパルタ塾>、渋谷パルコにて中学生向けのアートスクール<東京芸術中学>を主宰。
2024年4月から博報堂の教育機関「UNIVERSITY of CREATIVITY」と<スパルタ塾・オブ・クリエイティビティ>を共同主宰。
NYADC賞銀賞、D&AD賞受賞。

心に残った言葉

あなたはあなたがインプットしたものによってできている

第一線のプロは、やみくもに大量の知識や情報をインプットしているのではない。プロは、「精度の高いインプットを仕組み化している」

あなたはあなたが読んだもの、見たもの、聴いたものによってできている。つまり、「あなたはあなたがインプットしたものによってできている
よりクリエイティブな人間になるには、より良いインプットを行うしかない。情報の洪水に翻弄されず、自分を賢くするものだけを常に選び、身体に入れること。

「あなたはあなたがインプットしたものによってできている」ので、「精度が高く、より良いインプット」が重要。
現代は、インプットしようと思えば、プロが作ったものはもちろん、素人が作ったものだって気軽に手に入れることができます。
エンタメも周りにあふれていますし、スマホだって手元にある。
「暇つぶし」をしようと思えば、いくらでも簡単にできます。

そんな「暇つぶし」に溢れている中、何をインプットすれば良いのか?
それについても具体的に書かれています。

森の湖畔で極限の高負荷読書を行うビル・ゲイツの「THINK WEEK」

マイクロソフトの創業者であるゲイツは、1990年代から今に至るまで、半年に一度、1週間まるまる森の湖畔のちいさな小屋に一人こもって、ひたすら読書を行う、その名も「THINK WEEK(=考える週間)」を実践し続けている。
ネットも電話もつながらない「ノイズを完全に断ち切った場所」に大きなトートバッグいっぱいの専門書や技術論文を持ち込み、読書と考えごと以外は、一日二度の食事のみ。なんと一日18時間、本を読みながら、経営や人生や世界の本質的な問題について、考えごとをするというのだ。

1週間泊まり込みでの読書三昧。!!!!
「うわ!めちゃくちゃやりたい!!」と思いました。
なんて羨ましくて贅沢なひと時なのでしょう。
さすがに1週間は無理ですが、半年に一度、2025年はぜひともそんな連休を設けたいです。

「アウトプットしすぎた、インプットが猛烈にしたい。ネタがない」
「インプットしすぎて頭がパンクしそうだ。アウトプットしたい」
どちらもあるので、インプットとアウトプットのバランスを上手に保ちたいです。

こちらで、「THINK WEEK」の様子がみれるそうです。
うーん、やはりNetflix契約すべきなのか…!?



インプットすべきリストがすごい

【本・雑誌・映画・アート・音楽・口】に分けて100ずつピックアップされているのですが。。。
こ、これは……!!膨大な量だぞ………!!!
正直にいうと図書館で借りた本でしたが、手元に残したくて購入しちゃいました。
インプット完了したものにチェックを入れたくて!

選考基準は「いいもの」ではなく、歴史的にくさびを打った「すごいもの」。
しかも、それぞれジャンル分けされているので、体系的に専門分野外の知識も仕入れることができます。

第1章 インプットのルーティン
 ──天才はアイデアを生み出す「仕組み」を持っている。
第2章 目のインプット・読書編
 ──「負荷のある読書」、それに勝るインプットはない。
第3章 目のインプット・イメージ編
 ──写真・映画・アートの「三大視覚芸術」をインプットせよ。
第4章 耳のインプット
 ──音楽のセンスが悪い人間は、クリエィティヴのセンスも悪い。
第5章 口のインプット
 ──トップクリエイターは、なぜ「食べ方」に気を使うのか?
第6章 アウトプットの方程式
 ──優れたアウトプットとは、「意外性のある組み合わせ」である。

本書の目次

本:クリエイションを学ぶための100冊

美術、音楽、デザイン、建築、映画、写真、批評・評論・サイエンス、ポップカルチャー、歴史、文化人類学、テクノロジー

雑誌

ファッション、カルチャー、デザイン/インテリア、写真、アート

映画100本

映画は年代ごとに選ばれた100本

アート・写真:クリエイティヴ・インプットとしての100

アート・写真も年代ごとに選ばれた100

音楽:クリエイティヴ・インプットとしてのアルバム100枚

現代音楽、ジャズ、日本のロック/ポップ、ロック、エレクトリックミュージック、クラブミュージック、ブルース、ブラックミュージック、ヒップホップ、レゲエ&ダブ、映画音楽、ワールドミュージック、ラテン/ブラジル

口のインプットの参考図書13冊

食文化、栄養学、オーガニックな食事法、現在の食について、実践方法


本を読んだ後の変化

「良質なインプット」をより意識するようになった

インプットするだけではだめで、アウトプットすべき。
それはずっと思っていたことだけれど、「インプットの質」はあまり考えていませんでした。
世の中にはありがたいことに、様々な賞があります。
それが全てではないけれど、"プロから選ばれた"という事実はとても大きくて意味のあるもの。
歴史的に価値のあるもの。
そういった作品は積極的にインプットしていきたいと思います。

2025年のやりたいことが増えた

2025年にやりたいことの1つが、こちらの本でピックアップされているリストたちをインプットすること。
読みたい本、観たい映画、聴きたい音楽がめちゃくちゃ増えました。
来年は忙しくなるぞ!!!!
ただ、本100冊はギリギリできたとしても、映画100本は数年かかる気がしていますが………。
どこまでインプットできたのか、インプットして何が変わったのかも、noteで報告したいなと思います。

「THINK WEEK」を実行したい

1週間は厳しいけれど、2日くらいどっぷり読書漬けの日が欲しい!
泊まり込みで行くとしたらどこが良いかなぁ?と今からワクワクしています。
自然たっぷりなところが良いな。

自分の分野外ジャンルが開拓できつつある

まず手始めに「ラテン音楽/ブラジル」からインプットしています。
紹介されていたラテン音楽から派生して、サンバ、ブラジリアンブギ、ボサノバ、日本のブギ・ボサノバも聴いています。
自分にはあまり馴染みのない音楽ですが、ラテン音楽はとにかくリズムが良いですね!
歌詞も分からないのですが、分からないことが、より音を楽しめるので、良いです。

新しい年が始まります。
みなさんも、この本のリストを制覇してみませんかー!!
インプットの途中経過も随時報告します。
これを成果したら、新しい自分に出会える予感。


本語り記事まとめマガジン

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Mii
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