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タテ社会の人間関係/中根千枝(2024/6)

1. 気づいたこと、感じたこと、学んだことは何か。

日本の「家」に見られる集団特性は、日本の企業にも如実にあらわれている。経営者と従業員は、仕事を通じた契約関係というより、あたかも夫婦関係に匹敵するような「縁」によって結びついているのだ。それゆえ、従業員は家族の一員であり、従業員の家族も付属物として「丸抱え」の状態となる。(P43、44)

最近ではここまで「丸抱え」状態ではなくなってきたのでは思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これまで中小企業を数百社担当してきた私としては、大変共感できる部分でした。よく経営者が「従業員は家族みたいものだし」と口癖のように話されているのを何回も耳にしてきました。特に違和感は覚えなかったですが、海外と比べると、かなり異質な文化なのだと気づかされました。
ただし、大企業ほど「丸抱え」な時代は、少しずつ変化しているように感じます。

2.日本の組織の本質的な特異性は何で、その特異性は何をもたらし今何が問題なのか。

「枠」の強固さや集団の孤立性は、枠外にある同一資格者との隔絶を生み、同類意識を希薄化させる。その結果、「ウチの者」「ヨソ者」の差別意識が強まっていく。例えば、日本人は仲間と一緒にいるとき、他の人々には冷たい態度をとることが多い。このような排他的な姿勢は、日本の集団が「場」によって規定されるために、他との区別によって枠を明確にする必要に迫られているからである。(P48 ~52)

この点は、ずっと日本にいるので中々気づかない部分ですが、日本で活躍している外国人経営者は、ほとんどが社交的であり、オープンな性格である傾向にあると思います。今後、さらにグローバルな活躍が求められるようになる中で、「ヨソ者」という考え方は、様々な妨げになると感じました。

3.日本の組織の何が、時代環境に合わなくなっていているのか。そして、どうすれば日本の組織をよくできると考えるか。

最近日本では年功序列の文化が薄まってきており、時には目上の人にも意見できる機会も増えてきているのではないかと感じます。ただし根底には「タテ」の組織がマインドにこびりついていると思うので、こればっかりは時代とともに変化していくしかないのではないかと感じます。


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