頭のいい会社はなぜ、企業型確定拠出年金をはじめているのか/岩崎陽介(2023/3)
【要約】
2001年から制度が始まった企業型確定拠出年金。2022年5月から制度が改正になり、さらに加入しやすい制度になりました。しかし日本に厚生年金適用事務所が約251万社あるなかで、加入している企業は4万弱しかありません。比率にすると1.5%程度です。
本書では、企業型確定拠出年金を加入するにあたってのメリットや、「イデコ」「中退共」「確定給付企業年金」との違いを説明し、企業型確定拠出年金を始める後押しをするものです。
【感想】
職業柄、企業型確定拠出年金について勉強する機会があるので、これまで学んできたことの復習がてら読んでみました。
企業型確定拠出年金の概要、制度導入の背景、メリットなどはよく知っていたので新たな学びはありませんでしたが、「企業型確定拠出年金の加入者が自己破産した場合でも、拠出金は差し押さえられない」ということは初めて知りました。
一方、メリットばかりフォーカスされており、「導入後の経理担当者が行わなければならない毎年の事務」や、「企業型確定拠出年金を退職金控除として処理した場合の、企業から通常出る退職金の税金」についてなど、導入後の注意点などについては書かれておらず、少し残念でした。
【おすすめ】
★★★☆☆
企業型確定拠出年金についての初めての1冊にはいいかもしれません。ただもっと詳し知りたいとなるはずなので、別の本を読むことも必要だと思います。