夜明けのすべて/瀬尾まいこ(2024/3)
【あらすじ】
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられなくなる美紗とパニック症状で生きがいも気力も失った山添が、同じような悩みを抱える者同士、少しずつ打ち解け、助け合おうとする。
【感想】
270ページある割に、すらすらと読むことができ、2時間くらいで読み終えました。前回読んだ「そしてバトンは渡された」と違い、涙が出るほど感動するような作品ではなかったですが、じんわりと心が温かくなる作品でした。
瀬尾さんの著書を読むのは2作品目ですが、もれなく主人公の周りの人物が優しい人ばかりで、落ち着いて読むことができます。
私の周りにPMSで苦しんでいる方がいるので、少しでも気持ちが分かればと思い、この本を読みました。その方はこの本の主人公の美紗とは違い、気分が落ち込むことが多いのですが、不安を和らげるようなヒントがあったのではないかと思います。
パニック症状についてはほとんど知らなかったのですが、症状の描写が細かく書かれており、大変さが伝わってきました。
この作品は、「体を動かすこと」「笑うこと」「人と関わること」がいずれの症状にも有効であると伝えたいのかなと勝手に解釈しました。
今回の作品もすごくハートフルでした。他の瀬尾さんの作品も読んでみようと思います。