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父と娘の珍介護道中(日記的エッセイ2010〜2022) 時々、母のこと、故郷のこと、自分のこと EP9

エピソード9
苦瓜を日除けに咲かす隣り人

2011-07-30

昨日は例によって東名ぶっとばしー。
「リハビリで使う杖を持ってきてほしい」と頼まれた。
最近、お昼ご飯の時だけは、車椅子じゃなく、歩行器で食堂へ移動している。
今度のリハビリの時は、杖を使って歩く練習をしてみるのだそう。
やる気満々。よきことかな。

大好きな農道で、どんどんのびる稲をパチリ。水抜きをして、中干しというプロセスに入ったところでした。こうすることで、根がしっかりと張り、台風にも倒れない稲になるのだとか。これがそうか、と、初めて意識して見ました。

2011-08-13

お盆だけど東名の渋滞は思ったほどヒドくなく、8時に出発し、大磯の実家に9時半過ぎには着いてしまった。
お墓のお掃除に行く前に、実家の庭木に水をやったり、雑草を抜いたり、除草剤をまいたりと、銀行に行ったりと、午前中にいろいろできて得した気分。

庭をいじってたら、同じく庭を手入れしていた隣のおじさんが、
毎年のごとく立派に育ったゴーヤを2本くれた。
このおじさん、園芸と日曜大工がお得意なのです。
大磯はまだまだ田舎。小さな家の隣近所は、互いの動向がよくわかる。
夏は特に、みんな家にいるときは玄関も窓も網戸をして開けっぱなしだから、
いるのか、いないのか、何をしてるか筒抜け。
それが当たり前で、逆に心地いい。都会では味わえない感覚。

で、ウチには、私が幼い頃からずっと玄関の脇に月桂樹が植わってる。
今は普段誰もいないので、その隣のおじさんがその木の世話もしてくれてる。
根から若木がどんどん生えてるのを見て、
「こういうのは切っとかなきゃいけないんだよね。今度勝手にやっちゃっていい?」と言うので、「もちろん」とお願いした。

「そういえば、お母さん(私の)がよく、この葉っぱを干したのをくれたよ」と、おじさん。「あ、そうだった。カレーにいつも入れてたよ」と私。
「じゃあ、ミホちゃんも干してみたら。持ってく?」と言うなり、
おじさん、若木をお持ち帰り用にせっせと切ってくれた。
この、それ以上でも以下でもない、「アンタのウチは私んち」的な感覚、
いいもんですわ(笑)。

月桂樹の葉を乾燥させたものが、いわゆるローリエ、ローレル、ベイリーフとして売られている。シチューやカレーには欠かせませんね。
ということで、持ち帰った元気のいい月桂樹の葉をパチリ。
こんなふうに陰干しにしてみた。2週間ほどしたら収穫(?)です。
母が残したこんな句を思い出しました。

苦瓜を日除けに咲かす隣り人
お盆ですね。

2011-08-28

26日(金)は、東名ぶっ飛ばしーので実家&父の療養先へ。
持っていった塩ミルクあめを、父がすこぶる気に入った模様。
帰りの東名は前が見えないほどの土砂降り。50キロ制限の渋滞で2時間ほどかかって疲れた~。あとは、もう仕事の原稿、書いて書いて書きまくり。
来週の土曜日には、おがさわら丸に乗って一路小笠原への予定だからね。
なのに、台風が居座っていて、この日に出航予定だったおが丸は欠航になったとのこと。台風12号よ、早く日本近海から去ってくれ!

2011-09-21

旅行中ブログを書いていなかったので、ついついペースを忘れちゃう。やっぱ書きつけてないとね。
ま、でも、無理なく続けるが目標だったので、よしとしよう。

ということで、15日(木)に小笠原から戻っての動きです。
帰ってきた船の上から見た東京湾の海が、真っ茶色だったのにはあらためてガッカリしたけど、ああ、私はこういう都会に住人なんだなと、現実を再認識。
いい旅だった分、明日から頑張ろうと心に誓ったのでした(笑)。
それにしても、小笠原より5度くらい暑いのにはまいった。

翌日、首を長くして待っているであろう父の元へ。
パソコンを持って行き、スライドショーで旅の写真を見せる。
説明しながら見せてたら、ついつい長くなり、けっこう疲れさせてしまったなぁと反省。

19日(月)は父のケアハウスの食堂で、敬老会のコンサートがあるということで、義妹と二人でおつき合い。
伊勢原音楽院さんの学生さんと言ってたかな、ギターとフルートによる、とても心のこもったコンサートでした。
テーブルのお花やきれいなプログラムにも、職員さんの心遣いが感じられた。
終演後はケーキなども出て、得しちゃいました。

父の部屋に戻ってからは、私と同じ時期にフィリピンのボホール島へ旅行に行った弟家族たちの写真を見せてもらう。
島へ行くならぜひにと私が勧めたシュノーケルを、家族3人すごく楽しそうにやっていて、見ていて幸せになりました。
台風で悩まされた今回の小笠原より、ボホールの海の透明度の方がずっと高くてちょっとジェラシー(笑)。

011-09-23

本日も東名ぶっ飛ばしーので実家&お寺(お彼岸なので)&父のケアハウスへ。無論、連休初日の渋滞でぶっ飛ばせませんでした。

そうそう、夏の間、仕事やら旅の準備やらでバタバタしてて例の大好きな田園ルートをなかなか通れなかったので、
稲の成長の報告がほったらかしになっていました。
ふと気づけば、もう収穫の秋。
今日通ってみたら、もう「実るほど頭を垂れる稲穂かな」になっていました。
本当に黄金色できれい。
次、ここを通るときは、きっと刈り取られているでしょうから、見られるのは
今日がラストチャンスだったかも。
ああ、美味しいお米になりそうだなぁ。

2011-10-08

6日(木)、冬物衣料などを持っていき、月2回の定期往診の立ち合う。
月末にはケアハウスが企画する忍野八海への日帰りバスツアーがあるそうで、
父は「ずっと中にいてもつまらないから参加する」と意欲満々。
ちょっと前はそんな気力も全然なかったし、行くなら私についてきてほしいと頼んでたと思うので、この元気さにはビックリした。
それだけ、足腰の痛みがよくなってきたのだろう。
よかった、よかった!

来週の週末は、久しぶりに父の里帰りを予定している。
家族みんなで、大磯の地の物の美味しいお刺身をたらふく食べるつもり。
「無理をしないように、体調を整えといてね」とお願いして帰った。

写真は、中干しの稲、月桂樹の葉、黄金色に実った稲


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