プンジャビへ行こう!
プンジャビ、PUNJABIという響きは、わたしにとっては美味しい音。
なぜなら、インディアンフードのお店の名前だからだ。
マンハッタンにインディアンフードのデリやレストランは数多くあるけれど、このお店が美味しそうだと気づいたのには、理由がある。
とても入口が小さくて、二人横に並ぶのがやっと、というような狭い店内ではあるけれど、いつもお店の前にイエローキャブがずら〜っと停めてある。あの綺麗なクロームイエローのタクシーは、どこにいてもよく目立って、視界に飛び込んでくる。ニューヨークでタクシーに乗ると、かなりの確率でターバンを巻いたタクシードライバーに逢う。彼らが認める味であれば、美味しいに違いない!
そして、 やっぱり、彼らが正しかった。
少し大きめのお茶碗サイズのボールに、カレーを2種類選んで3ドル、
お腹が空いているときには、4ドルでプレートに3種類のカレーを載せて食べる*。
彼らはベジタリアンだから、気持ちよくどのカレーもいただくことができる。
カレーだけでなく、スパイスが効いたチャイも、毎回外したくないくらい美味だ。”May I have Chai Tea?”と言うと、「Tea Teaをいただけますか?」と言っている意味だ、と聞いたのも、このプンジャビでだった。ChaiとはTeaのことらしい。えぇー!今までそんなこと言ってたんだ〜!(笑)
この文章を書いているだけで、味を思い出して、お腹が空いてくる。
セイルボートに住んでいた熱い夏、プージョーバイクで3日に1度通うほど、プンジャビで過ごす時間が好きだった。
と、ここまで書いたけれど、今日は食べ物の話をしたいのではなく、そこで出逢った悟りを開いているような優しい瞳を持つ彼らの話をしたい。
レジで会計をしてくれた長いヒゲを撫でている彼に、あるとき聞いてみた。
“Have you ever cut your awesome beard?”
「その立派なあご髭、今まで切ったことはある?」
彼は、”No”と首を振る。
「神がくれた、そのものを大事にしてるんだ。
すべての毛を切ったり、剃ったりしないで、生まれたままをキープしているんだよ。」
それを聞いて、すっごく感動した。
生まれたまま、神からいただいたそのままを保つ・・・。
しばらく自分もそうしてみようかな、とトライしてみたけれど、日本へ帰国したときに、親の反発を受けた。それも仕方ないか。
後から、ターバンを巻いたインド人は少数派であること、 シーク教徒 (Sikh)はプンジャビ地方に多くいること、カースト制を否定し、男女平等であること、などを知った。いつかまたニューヨークに帰ったら、もっと話をしてみたい。
今、日本で、久しぶりに、あの熱い夏に通ったプンジャビを想い出して、自分に問いかけてみる。
こころだけでも、ありのままの自分、キープできているかな。
生まれたままのPureなきもち。
How about YOU? あなたはどうだろう?
ありのままの自分、かわいがってあげよう。
★ Punjabi Grocery & Deli on 114 East 1st Street ★
**2020年現在では、値上がりしていて、ボールが5ドル、プレートが7ドルのようだ。それでも全く価値があるくらい、美味しい。
photo credit: the founder Kulwinder ‘Jani’ Singh @punjabidelinyc