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プロ野球開幕戦が完全にわたしのエネルギーになった話

読売ジャイアンツの開幕戦を現地観戦しました。
結果をご存知の方には言わなくても分かるだろうが、ジャイアンツファンにとっては最高の1日となった。

まずはファンとしての「推し事」

東京ドーム開場時間の1時間半前、亀井善行選手、菅野智之選手ファンの友人と待ち合わせる。

ちなみに、わたしは高橋由伸さんのファンだが、現役ジャイアンツ選手なら亀井選手、大城卓三選手が好き。
ついでに言うと母も亀井選手のファンで、いつも母や今回一緒に観戦する友人と亀井選手について語り合っている。

開幕戦行けるなんて最高だねえ〜と話しながら真っ先に向かったのは「G CAFE」。
昨年オープンした、東京ドーム前のテラス席のカフェ。選手をイメージしたお食事がいただけます。

執念で座った亀井席。

食べ終わったら新しいシーズン恒例、ドーム周辺をぐるっと。
今季は各選手の旗がぶら下がってました。

そんなことをしているうちにあっという間に開場時間。
入場したら、今季のファンクラブ特典グッズを引き換え、選手プロデュース弁当を買いに行き、急いで着席。

亀ちゃん食堂美味しい…

選手たち、アップしに出てきたぞ〜!
今年はキャンプも無観客だったし、オープン戦は行けなかったので、久しぶりの生選手たち。興奮がとまらん!!!

2021年、プレイボール!

開幕戦らしいセレモニーの後、いざ試合開始。

初回は菅野選手がぴしゃっと三者凡退に抑え、その裏ジャイアンツはいきなりの3得点!
「菅野だし、もうもらったな〜」なんて余裕でいたらあっという間に同点。

落胆していると、その裏に大城選手の3ランホームランで勝ち越し!
捕手が開幕戦にホームランを打つのは43年ぶりだとか。阿部慎之助選手ですらなかったのかと驚き。

大好きな大城選手が打って満足。
「もう今度こそ大丈夫でしょ〜」と思いながら(というか思いたい)観ていたが、一進一退が続き、
9回表に今季からクローザーを任される予定の中川皓太選手がなんとまさかの2失点。またもや同点に追いつかれ、7-7に。つ、疲れたよう…

この7失点中、6打点を叩き出したベイスターズの選手は、なんとジャイアンツから人的補償で移籍したばかりの田中俊太選手。

いや俊太、確かにジャイアンツに後悔させてとは言ったけどね、早いよ。早すぎるよ後悔させるのが…

ドーム内は喜ぶベイスターズファンと、チャンスで回るたび打ちまくる俊太選手を見て複雑な気持ちになっているジャイアンツファンの異様な空気に包まれていた。

でもわたし、素直に嬉しかったよ。
しっかり本職のセカンドでスタメン勝ち取って、ヒーロー級の活躍して。この調子で!

「イケおじ」による、劇的な幕切れ。

隣に座る亀井・菅野ファンの友人がひたすらに元気がない。

それもそのはず。1番好きな亀井選手はここまで出場なし、その上菅野選手の勝ちも消えてしまった。

でも、亀井選手のようなベテランは同点になってしまってこそ、ピンチのときに救いに出てきてくれるヒーロー。今こそ出番なのだ。

由伸選手のベテラン時代を応援済みのわたしならよりわかる。
もはやファンなのに由伸さんの出番の為に、終盤まで負けor同点を願っていたまであるぐらい。そうじゃないと出てこないからね。

スコアボードに目を移し、代打が出そうなタイミングを探る。
この回は3人目が投手、ということはここだな。それまでにランナーためて…と話しながらネクストバッターズサークルを見る。ん?!

いる。亀井さんもういる

まだだろうと油断していたわたしと友人は大慌て。
まさか先頭で代打か。

帰って録画を確認したら、由伸さんが「今季は延長がないから9回はどんどんランナーをためる必要がある。良いバッターから出すのは当然」と話していた。

出し惜しみする必要がないからこそ、先頭から攻めの姿勢。今までの最終延長12回までと比べると、戦力に余力があることも多いだろう。
今季ならではの戦い方なのかもしれない。

亀井選手が打席に立つ。祈るドーム内のジャイアンツファン。
2球見送ったカウント1-1からの3球目、打った瞬間それとわかる完璧な打球がライトスタンドへ吸い込まれていった。

代打サヨナラホームラン!!!

正直、興奮のあまり記憶が疎らだ。
あまりにもかっこよすぎる。亀井さんかっこよすぎる。

昨日から今日にかけて何度も何度も繰り返しリプレイ映像を見てしまうぐらい。開幕戦代打サヨナラホームランは史上初らしい。なんとも劇的だ。

歓喜の輪の中、同点を許してしまった後輩、中川投手の頭をぽんっと撫で、励ましていた。「大丈夫だよ」ってわたしには聞こえたし、おそらくそう言っていると思う。うん、そう思う。

なぜなら、亀井選手自身が尊敬する先輩に何度もそうしてもらって成長してきたから。

亀井選手のサヨナラゲームといえば忘れられない、2017年6月18日のロッテ戦。前の打者が何度も敬遠され、回ってきた3度目の打席で見せた3度目の正直、サヨナラホームラン。

そこまでが辛かったのだろう、泣きじゃくりながらホームを回って戻ってきた亀井選手を抱き寄せ、ほっぺたをつまんで讃えたのは亀井選手が憧れた尊敬する先輩、由伸監督。

亀井選手が入団前から憧れた由伸さんは、また亀井選手を可愛がった。自主トレにもたくさん連れて行ったし、監督になってからも亀井選手を起用し続けた。

調子が落ちて、「2軍に落としてください」と亀井選手が頼みに来ても、由伸監督は首を縦に振らなかったと言う。そして、亀井選手に結果が出ると、「ほら、歯食いしばって頑張っていればいいことがあるんだよ」と声をかけたとか。

こうやって育ってきた亀井選手は、いまや「イケおじ」なんて愛称がつくぐらいのかっこいいベテランになった。

でも由伸ファンのわたしからしたら、いつまで経っても可愛い弟に見えちゃうな〜。なんて思っていたけど。

この中川選手をぽんっと励ました姿を見て、いろんな経験をして、たくさん苦しんできて味が出た「イケおじ」の本当の意味がわかった気がした。

とんでもないシーソーゲームの中、「いいとこどりしちゃったな〜」なんて話すけど、この緊張感の中打つなんて、素晴らしすぎる。

興奮冷めやらぬ中、お客さんもまばらになってきた頃、「生きててよかったあ」と隣で話す友人。

うん、すごくわかる。行きたくないけど、明日の仕事頑張れそうだし、なんなら今後しばらく嫌なことがあっても全然平気な気すらする。というか寿命伸びたわ。

やはりプロ野球は元気をくれる。全部が全部試合を観て良い気分になるわけじゃないけれど、そこもまたいい。

幸せのあまり、酔ってもないのにふわふわとした足取りで帰路に着く。脳内で弾道を思い浮かべて、ふふっとひとりで笑ってしまった。

また、球場に行ける日を楽しみに。また、明日から頑張ろう。
そう思えた最高の試合でした。