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【静岡手ぬぐい】注染工場に伺った話
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
先日、家康公と縁深い静岡のモチーフを使った「家康好み」という手ぬぐいを発売しました。→リンクはこちら
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その手ぬぐい製造をお願いした浜松の二橋染工場さんに伺った話です。
注染という染色技法
「布を染める」技術はいくつかありますが、三保原屋でも扱っている手ぬぐいの多くは「注染」という方法で染められています。
注染とは、文字の通り、染料を注いで染める方法。
もちろん、ただただ布に液体をかけて染めるだけでなく、いろいろな工程があります。
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全体的なイメージとしては、布に染料を注いで染めていくのですが、
「①絵柄に染める部分」
「②絵柄に染めない部分(生地の色)」
「③色と色が混ざりあう部分(ぼかし)」
と、それぞれの部分があると思っていただけると分かりやすいと思います。
具体的な製造工程
①型作り
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手ぬぐいのデザインに合わせて型をつくります。
この型により「染める場所」「染めない場所」が決められます。
この型作りの職人さんも染物産地でも減少しており、二橋染工場さんでは社内で型作りが出来る方がいます。
②地染め
今回の手ぬぐいは地色を薄い生成りで染めています。
③防染糊を置く
「板場」と呼ばれる場所で、①でつくられた型を乗せて、染めない部分にヘラで均一に防染糊を置いていきます。
(防染糊とは、文字通り糊です。)
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ここで驚くのが、この作業が
ジャバラに折り重ねた手ぬぐい生地の1枚1枚に対して手作業で糊を置いている
ということ。
ここで、糊を置くのは「染まって欲しくないところ」です。
逆に、糊が塗られていない場所は染料で染められていくこととなります。
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染料を注いで染める工程が注目されがちですが、この「板場」での作業が手ぬぐいの全体的な精度が決まるといった印象です。
なお、この工程で使われる糊製造会社も急激に数を減らし、二橋染工場さんでは社内で機械を導入して内製していました。
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色々な工程をかかえると、その分の経費やノウハウが必要となるため、染物産地といえど非常に難しい状況に置かれていると感じました。
一方で、このように必要な工程の内製化など、状況に応じた変化を重ね生き残っている会社さんだと感じました。
④染料を注ぐ
糊付けされた生地(およそ25枚前後)に対して、染料を上から注ぎ、染めていきます。
※25枚前後(2反分)~50枚前後(4反分)重ねて染めるので、失敗してしまうと重ねた枚数分が、、全部失敗します。。
防染糊でつくる防波堤のようなものを「土手」と呼ぶため、以下に「土手」という言葉が続きます。
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染料は配合により多様な色を表現できるのですが、
●染料の性質
●どんな色から順に染めていくか
などにより、仕上がりが異なってきてしまうのが、注染の良いところであり、難しいところ。
経験値がとても大切だそうです。
⑤洗う
染料や防染糊を洗って落とします。
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⑥干す
洗い立ての手ぬぐいはもちろん濡れています。
これを人力で干していく作業をしていきます。
私たちが伺った時は、すでに干し終わった状態で、手ぬぐいが風に揺れていました。
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私が一番感動したのがこの工程。
工場から、一気に空間が広がり、光・風と共に揺れている手ぬぐいは、飽きずに眺めることができます。
最後、写真には納めることができませんでしたが、干し終わった手ぬぐいを裁断するというお仕事があります。
プリントには出にくい、ゆらぎ・にじみ
注染の工程は殆どが手作業で、厳密にいえば個体差が非常に出る商品です。
もちろん染工場さんも努力していただいていますが、個体差が出る以上、できれば店頭で手に取ってみていただきたい商品です。
それでも、プリントには出にくい
●ゆらぎ
●にじみ
を楽しんでいただける技法で、二橋染工場さんでは浴衣など高級生地の染色もやっていらっしゃいます。
最後に
今回はデザインをお願いしたpunto a puntoの小山さんと一緒に、二橋染工場さんに伺いました。
二橋染工場さんのHPでは手ぬぐいの説明や、手ぬぐいの販売もしていますので、よろしければ是非ご覧になってください。