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週末短歌 Nr.1|ドイツから春の味覚

はじめまして、ドイツ在住編集者の土井みほと申します。本業の雑誌編集のかたわら、趣味でエッセイを書いたり、絵を描いたりしてきたのですが、このコロナ禍に、新しい創作活動として「短歌」をはじめました。

今のところ「かばん」に掲載される作品以外はどんどん手元にたまっていく一方なので、週末になったら、このnoteに挙げていこうと思います。短歌の出来栄えについてはさておき、まずは「つづけること」、そして少しずつ磨きをかけていくことが目標です。

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■今週の一首

春の味覚はファム・ファタール
象牙のように肌剥き出して

3月末あたりから、ドイツではシュパーゲル(白アスパラ)が出回る。この野菜、ドイツ人たちを毎年虜にしている、いわば「ファム・ファタール(男を破滅させる魔性の女)」のような存在だ。個人的には「毎日でも食べたいくらいうまい!」といえるほどではないが、実は食べられる期間が春から6月24日(聖ヨハネの日)までと決まっているので、そんなわたしでも「食べなくては!」という強迫観念にとらわれる。この「期間限定もの」であるからこそ、ドイツ人は狂ったようにシュパーゲルを食べるのかもしれない。

シュパーゲルの別名は「食べられる象牙」。今回は、その象牙のように白く輝く肌で人々を虜にするシュパーゲルについて詠んでみた。ちなみにシュパーゲルを食べすぎると、おしっこが臭くなるのでご注意。まさに身の破滅をもたらすファム・ファタール……。

■おまけのもう一首

しゃあしゃあと海へ精液たれ流し
人面魚かこむ未来の食卓

先週、福島原発の汚染水が海洋へ放出されることが決定したことを受けて。ドイツでも「Fukushima」がTwitterでトレンド入りするなど、話題となっていた。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。おそらくまた来週!

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