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線香花火

歩き疲れた足から鱗が落ちる
雨上がりの川沿いに露が落ちる

楽しかった時間ももう終わる

最後にこれしようと君がいう
ポケットから少し折れた花火

微かな放物線が
鳴いてる
微かに鳴いているのは私

小さな命
ぽとんと落ちた 掌に

(痛すぎる 阿呆やん)

泣いたのは痛いから
阿呆やと笑ってください
消えないで
君の皺をなぞりたい
川面に映る宴の光

煙の匂いがする髪
君の顔の光と陰が

このまま

次の夏にはここにはいない
雨上がりの夜空に露が落ちる

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