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ハイテックハイ教育大学院の仕組み



渡米をしてようやく2週間を過ぎました。
怒涛の2週間で体感2か月くらいの濃さです。
観光なんて…まだ何もしていません(笑)
そろそろ、この2週間で起きたことの思考の整理をしたかったのですが、まだ言語化できるほど吸収したことが自分の中で消化しきれていませんでした。
というわけで、今日はハイテックハイ教育大学院の仕組みについてお話しをします。

ハイテックハイ教育大学院のプログラムは2つ

ハイテックハイの大学院には2つのコースがあり、一つが私が通っているEducational Leadership、もう一つがSan Diego Teacher Residencyです。後者は最終的に教員免許も取得できるもので、大学院の授業を受けながら、ハイテックハイのどこかの学校で1年間教育実習をするというものです。
私が配属されているHigh Tech High Media Arts(HTHMA)にも2名このプログラムを受けている先生がいて、二人は正教員とペアになり一緒に授業案を考え、授業も担当します。
1年間大学院に通学しながら(無給、大学院の授業料は支払う)というのは覚悟がいることですが、2人の先生は教員免許は大学ですでに取得をしているそうですが、1年間誰かについて学べることが魅力的だと思い、受講しているそう。
また、前年度このコースで実習をしていた先生がそのまま正教員として採用されているケースも多くあるそうです。

Educational Leadershipの中にコースが3つ

私が受講しているEducational Leadershipは原則、自分がすでに働いている母体を持ち、オンラインで大学院の授業を受講し、現場で試してみるというのが基本のスタンスです。オンラインの授業を10か月で修了するコースと20か月で修了するコースがあります。内容はどちらも同じで、短期間で一気にすべての授業を受けるかどうかの差です。1週間のうち、授業数はあまりないのですが、課題がそこそこの量出るので、仕事をしながら10か月のコースをこなすのは大変だろうなと思います。
そして、私が行っているのは1年間(実質10か月程度)のresidencyコースです。これは、同期とオンラインの授業を受講しながら、配属されたハイテックハイの学校で授業で習ったことを実践をしていくというものです。
ちなみに、授業料はこの3つのコースすべて同じですが、residencyを選ぶと若干奨学金も出ますので、授業料だけを考えるととてもお得です。(生活費や仕事を一旦辞める/休職/セーブしなければいけないので、圧倒的なマイナスですが(笑))
私の同期は35名おり、このresidencyを実施しているのは4名、10ヶ月と20ヶ月のオンラインは約半々です。residencyの4名はバミューダ、ネパール、アメリカ、日本出身です。オンラインのコースを選んだ同期でもresidencyを最後まで悩んだという方は何名かいました。
また、ハイテックハイで働きながら、このオンラインコースを受講している人もいます(同じ学校に2名同期がいます)。
こちらのコースを受講している人は現場に立っている人は少なく、すでに何らかのポジションについている方が多く、年齢も20代後半から50代くらいまでですが、30代後半あたりが一番多いです。

同期の仲間

residencyの配属先学校とメンターの決め方

配属先の決め方は、大学院に合格したのち、何度か行わられる面接で私のやりたいことや性格などから相性の良いメンターを探してくれます。
(ちなみに、大学院の入学審査は志望理由書、録画式面談、英語力を証明するTOEFLかIELTSのスコア、大学の成績証明書です。)

メンターとして、ハイテックハイのベテラン教員に就いてPBLデザインを含む授業実践をしたいか、校長などについて学校運営をしたいかを選べます。私は学校運営を学びたかったので、校長をお願いしました。
実際、High Tech High Media Artsの校長がメンターになってくださいましたが、校長の配慮で現場とももう少し近づけるように、先生方の授業デザインや授業運営のアドバイザー(instructional coach)もメンターに就けてくれました。
なんとこの校長、数年前に私と全く同じプログラムを受講し、この学校の当時の校長がメンターだったそうです。めぐりにめぐって、今度は自分がメンターを受け入れる時がきたのかと思って、受け入れをしてくださったそうです。

このように、身近に教員自身が学べる場があることで、「学び続ける」ことが当たり前の環境ができています。

配属先学校(High Tech High Media Arts)

ハイテックハイが出来て25年

映画Most Likely to Succeedで舞台となっている元祖ハイテックハイ(オリジナルという愛称で呼ばれています)が出来て今年で25周年。ハイテックハイの卒業生がハイテックハイで教員になったり、ハイテックハイ教育大学院に通って根幹を改めて学んだり。時代とともにフレキシブルに変容していくのでしょうが、大学院がハイテックハイの教員育成と根幹の伝授に大きく関わっていることがわかります。全員は無理でも、ハイテックハイのコアとなる人が確実にハイテックハイの根幹を理解して、運営がされています。
とはいえ、4つの校地に分かれ、16校も出来れば様々な想いを持った教員がいるのも事実で、色は薄まるのも仕方のない気もします。配属先の学校の先生ではありませんが、「ハイテックハイで働いているのに、そんな発言をする人がいるの?!」と思った瞬間もありました。また、初代からいる人からすると、今のハイテックハイは本当のハイテックハイではない…と思うこともあるそう。
先日の教員研修でも「追いつこうとしても絶対に追いつけないオリジナル」という表現で元祖ハイテックハイは紹介されていたので、やはりオリジナルだけは特別なのかもしれない。様々な学校が一同に介すと、それぞれの学校に「色」があることもわかるし、学校の中に入ると違いは一目瞭然。あ、この学校活気がないな…教員のつながりが強いなと感じたり。ここまで大きくなると、一概に「ハイテックハイ」という一言では語れないのだろうが、根幹だけはブラさず、ここからまた25年教育界を引っ張っていってほしい。

創設者のRob Riordan氏のように、何かをやり遂げた人しか流せない美しい涙を自分も流したいと思いました。

全校合同研修の様子

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