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やっと出合えた旅の本
旅のエッセイを最後まで読み切ったことがない。沢木耕太郎さんも、星野道夫さんも、村上春樹さんも、全部半分くらいで終わってしまった。つまらないわけではないんだけれど、なかなか気持ちが動かずに終わってしまうのはなんでだろうかと地味に悩みの種だったりする。というのも、自分も旅が好きで、noteやアパートメントで旅に関する記事を書いていたからだ。
他の旅エッセイを読まないのに自分で書いても、いいなぁと思うものは書けないしなぁ……と、頭の片隅でずっと引っかかっていたところで、ある本に出合った。
「バウルの歌を探しに」。バングラデシュと西インドのベンガル地方に暮らす吟遊詩人「バウル」。その歌を聞くために、情報を探し、仲間を見つけ、旅をしていく本なのだけれど、まだ半分も読んでないのにワクワク感がすごい。この本へたどりついたことにすでに興奮している自分がいる。
紹介してくださったのは、転職前にとてもお世話になった人。転職後は事情があって少し疎遠になっていたのだが、久しぶりに再開したとき、帰り際にそっと渡してくれたのがこれだった。アパートメントの連載を読んで、選んでくれたそうだ。
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旅にでも、書くことにでも、私は“わかりやすい目的”を求めるのかもしれない。単純で、察する力や空気を読む力が人より少ない私にとって、「わかりやすさ」はとても重要になる。エッセイ本はたぶん、私にとってその文章のゴールを見つけることが難しいのかもしれないなぁと、目的の明確な「バウルの歌を探しに」を読み始めて考えた。そしてそれは、自分の意識の範囲で選んだ本を読んでいるだけだと、わからなかったことのような気もする。私のような、どんな本が好きかがまだよくわかっていないうちは特に。
紹介してくださった方に、感想を伝えるのが今一番の楽しみ。そして「どちらにしようか迷った」と教えてくれた本も、早く読みたいなぁと心を躍らせた夜でした。
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