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day21.(読書記録)生殖記/朝井リョウ
『本屋大賞ノミネート作10作品全部読んで、自分的ランキングつけよう企画』
8冊目はこちら~
生殖記/朝井リョウ
ちょっとネタバレなしには書けない本……?
なのでネタバレOKな方のみどうぞ!
生殖本能が語り手という世にも奇妙な!? 物語。
こんなのは初めて読みました……
「そのほうがずっと社会を恨んでいられるし、
どうせ無理だからって最初から全部諦めて何もしてこなかった人生も
仕方なかったんだって思えるから」
このあたりからのたたみかけがめちゃくちゃよかった。
神の教えが絶対という国の人と、民主主義の国の人。
会社とかの構造とも似てるなーって思って。
絶対的なトップがいると、下の人たちはもう従うしかなくて、
言ってもどうせ変わんないしね、この会社ってそうだよね。
トップの人独壇場だもんね。さいあく~。
って、なると思うんです。
この状況って、ある意味、楽なんですよね。
人のせい、会社のせいにできるから。
自分の意見で会社が変えられる! ってなると、
能動的に参加しないといけないし、
変だと思うなら変えればいいじゃん? って言われて、意見を求められるわけだし、それを実行するために、動かなきゃいけない。
結局、どっちの方が自分にあってる???
ってことなのかなーって思うんです。
会社員か、個人事業主か、も似てる。
私個人の話でいうと、会社員の方が、今は好きです笑。
昔は違うこともあったんですけどねぇ。
前の職場の時は、組織がそこそこ大きかったから、
なにか一つあたらしいことを始める! やってみたい! って思っても、
何段階あるの??? っていう決裁をとらなきゃいけなくって。
しかも保守的な人が上だったりすると、
新しいことってことごとく否定される笑。
それにつかれちゃったなーって。
育休明けの働き方に関しても、
会社的に時短の制度が動き出したばかりだったから、
もっとこうしてほしい! とか、こういうとり方も認めてほしい!
みたいな意見を、もっともっと出さなきゃいけない世代だったんだろうなとは思ってます(育休明けて一年間時短とりながら復帰した後、退職しました)
でもね~~~
上の世代の人に、
私の時は1年しか育休なかったよ? とか
時短なんて昔はなかったんだからうらやましい! とか
旦那さんもっと協力できないの? とかね
いろーーんなこと言われて、
あー、自分の努力が足りないんだなーって。
自分のキャパシティが狭いから、ダメなんだなーって。
そういう思考になっちゃったんですよね。
もう、そうなったら、戦えなかったです笑。
組合に掛け合ったり、玉砕しながらも上に話にいったりしてた戦友もいたのですが……
しょんぼりして帰ってくる背中を見て、
あれをまともに食らうことは、私には無理だ……
ってことで…………
逃げました!!!
後輩のために……! とか言いたかったですけど、無理でした~
その前に自分が壊れる!!!! って思ったので。
(実際壊れかけてましたが……)
で、なんの話でしたっけ。
そう、生殖記読んで、
いつからかくすぶってた、
この話が書きたくなったのでした。
結局今私は、会社員、しかもパートっていう立ち位置で社会に参加しております。
長いものには巻かれろいう言葉もありますが、
長いものに巻かれつつ、関係築きつつ、
ちょっとは言いたいことも言えるようになってきています。
生殖記の主人公も、社会を恨んで社会のせいにしていろんなことをあきらめていたのに、最後に動き出すのか? っていう感じの心の動きがあって、めちゃくちゃよかったです。
結構くせありな小説な気もしますが、
ずっと心の中に持ってた、言葉にできない葛藤?に、
書くきっかけをくれた素晴らしい小説でした。
よかったです!おすすめです!!!