
【文字迷宮】「画家たちの旅 スケッチノート」(読書記録)

「画家たちの旅 スケッチノート」(1997/6/1 発刊・NHK出版) 読了。
9人の画家の旅をした際のスケッチ、エッセイをまとめたものです。
旅先で何に焦点をあてるかは人それぞれ、そこから何を生み出すかも人それぞれ。
そして旅をする目的も人それぞれでした。
共通項は
新しい何かを探している/見つけている
ーということ。
たとえ過去の面影を探す旅だったとしても、「今現在」のその場には、必ず新しい発見がある。
「描く」の前に「見る」がある。
「見る」から「見つける」。
改めてそう感じました。
【心に残る言葉たち】

「複雑な人間社会では、助け合ったりけんかしたりして見えてくるものがある。
退っては見えない。乗り越えた時にものがよく見えてくる。
それが絵に込められた時、見る者にとっても何か心に引っ掛かりのある絵となる。」

「クリスティーヌが舞踏会の手帖の中に若き日の自分を発見する旅をしたように、
私もまたこれ程までコモ湖に執着するのは、
過ぎてしまってもう絶対に取り戻すことの出来ぬ
自分の青春をもう一度手にしようとする思いであるに違いない。
時を戻すということは絶対不可能なのに、
スクリーンと旅が合体すると可能になってしまう不思議さ。」

「色のない先人の優れた墨画を見ると、
逆にそこに無限の色彩を感じ、
限りなく自由に夢を追えるような気がするのである。」
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