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江戸川Qの「独想感想文」#33 消された王権  尾張氏の正体 (PHP新書)

 尾張氏ーーいうまでもなくそれは地名としても今も残っています。
 「尾張」とは広く名古屋をはじめ東海地方一体を指す言葉であり、戦国時代においては織田信長をはじめ、豊臣秀吉、徳川家康、またそれらの家臣団を輩出した地域です。
 ですが、この著作がのべる「東国」とは滋賀県、奈良県東部以東を指す一帯をいい、今まで「倭」という現在の奈良県以西を中心に展開されていた古代史観をこの東国に根を張った謎の豪族「尾張氏」を中心に紐解いています。
 古代史を鑑みる方法として、他国の記録を見て自国の推移を図る作業がありますが、本作はこの「東国」と対比して、著者自信が「倭」とは何者であったのかを見つめてゆく、古代史の新しい通り道を作り出し、学問の裾野を広げた素晴らしい著作です。

 もしあなたがこの本を気になったら、
 是非、そんなあなたにこの一冊を。

 そして
 あなたが一冊の本を読み終えたら、
 是非、あなただけの「独創感想文」を。

 文:江戸川Q 

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