ミスターサンシャイン備忘録④
「sad endingは長く記憶に残るから」
支配人の言葉。結末は、だけど、哀しいだけではなくて。
何度となく繰り返される、あの3つの言葉の狭間で
この結末をどこに位置付けるのかは、見る人ひとりひとりに
委ねられている。
GUN ,GRORY, SAD ENDING
工藤陽菜の洋装は米2俵分。日本まで船で往復できそうなお値段。
「復讐は暇な時にしろ」カール大佐の言葉。
他にすべきことがなければ、復讐に身をやつすことになる。
エシンは、知ることを望む。たとえ師匠に「何も知らない方がいい」と言われても、「名前が読めないのは嫌なの」と、学堂の門をたたく。
エスンを探してGRORYを訪ねたエシン。
ホテルには権力を持った男たちが、酒、煙草、コーヒー、ベッド、賭け事、恋人なんでもあるから集う、という話の最中に、戻ってきたユジンが
聞かれてもいないうちから
「私はここに宿泊している。上からの指示でな。
ここは食事も出る。
楽でいい。
いい宿だ。」
って言い訳してるところが、、、、、、かわいい(〃´∪`〃)ゞ
もう、この時には、悪く思われたくないっていう気持ちが
自分でも気付かないうちに生まれてきてたのかもしれないなあ。
ク・ドンメとエシンの出会いも描かれる。
孔子の言葉を自分のものとして、目の前の人を一人の民として見ているつもりのエシンに対して、「ぬくぬくと育ちやがって」と言葉で抉るク・ドンメ。チマで唇の血を拭い、つまんだままで。
この朱色とチマを掴む指先が、この後、あんなにも官能的なシーンにつながることになろうとはね。。。飴も、水色も蜜柑色もあるのに、必ず手に取るのは赤い飴だし、着流しも赤が多い。赤、朱、紅。
それは、彼が流す、流される血の色を常に意識させる。
日本軍が朝鮮に来るのは、ロシアと戦争するから、という噂が聞こえる頃、イ・ワニクは伊藤博文に、3年後に朝鮮を渡すことを約束する。
ドミ、登場のシーン。
「一方的に頼るな。いいか、これはお前の戦いだ。」と言って
ドミに手を貸すユジン。
「これからも自分で戦え」
ずっと幼い頃から戦ってきた人の言葉。
ヒソンは1年の約束で留学したのに、帰ってきたの10年ぶり。
白い花を持って土塀沿いを歩いてエシンの元に向かうヒソンと
復讐心を抱えてキム家に向かうユジン。
シーツの合間から垣間見るエシンの美しさは、説得力があった。
あれは、ヒソンが見惚れて心が動かされるのは当然。
でも、エシンはユジンのことを考えている。
そして、そのユジンは、かつての自分が倒され転がされた地面から
一歩一歩上っていき、一段一段と上り詰めて
ついにあの忌まわしい時を突き付けて、
これまで見上げることしかなかった夫婦を見下ろし、
銃を突きつける。
殺すか殺さないかは、決めないまま向かったのだろうと思う。
選ぶことができる立場まで、上ってきたから。
どん底の、底の、底から。