ミスターサンシャイン備忘録⑥
6話まで来ました。2周目。
ク・ドンメが日本から朝鮮に戻ってきたのは
「たった一度のあの時から
何度背を向けても
この道だけ」
だったから。
エシンに助けてもらって、それなのに敢えて傷付けることしかできなくて。
身分だけでなく、あらゆる点で交わるところがないから
きっと何度も違う世界で生きようと思ったのだろう。
でも、違う世界線で生きていようと、遠くから幸せを願うことはできる。
人斬りとこのpureさが混在している男、ク・ドンメ。
ホタルは、それに気付いている。
だから、ぱしっと背中を叩く。
「痛いよ。」
庭に投げ捨てた赤いチマからの、人力車のカバーの赤につながり
そこからヒソン。作りが、本当にうまいなあ。
奴婢の両親は、30年もの間、一度もお参りされなかった。
しかし、使用人の身では来ることは能わず、
「法がなくなっても賤民には変わりはない」
賤民と選民。
音は同じなのに。
法がなくなっても、平等だという掛け声はあっても
ヘイトが根深いのに、国境はない。
奴婢で生まれたやつは、そのままだ。
なんという理不尽さ。
抗えない理不尽さにむせび泣くユジン。
石を盛っただけの墓に勢いよく迸る酒は、
幼い頃からの、蓄積されてきている彼の涙だ。
辛未洋擾(しんみようじょう)では米軍と戦い
乙亥(ウルヘ)には日本軍が来た。
日本軍は、暴行と略奪で、ひとつの村が消えた。
これは、この後も日本が朝鮮や中国で幾度となくしてきたこと。
記録も記憶も残されている。暴行や略奪の限りを尽くしたあと、
証拠を残さないために焼き尽くすことを常としていた、なんて
小学校でも中学でも高校でも歴史の教科書には書かれていなかったから
知らない人が多い。
大学になって、心理学特講でたくさんの資料に触れる機会があり
そこから、地道に少しずつ学びを重ねてきた。
ドラマの中で、「村が消えた」とだけ表されていても
そこには、人間の血と叫びと死臭がある。
自分が知らないことは、なかったことではない。
そうであってほしくないことは、なかったことにはならない。
宣教師からの手紙に
「お前こそ神がいる証」と書かれてあることに、ユジンは己の存在意義を肯定してくれる存在への感謝の念をいっそう感謝したことと思う。
手紙を見て、口元に笑みを浮かべるユジンに、支配人は
「笑うこともあるのね」という。
ああ、そうか。リ・ジョンヒョクと同じで、ほとんどここまで
ユジンも笑ってないんだ。でも、Eしか分からなかったときも、
仕立て屋での再会でも船の上でも、
ふ、って、頬が緩んでるのを、わたしたちは知ってるし、
彼も自分がわらうのは、エシンといる時だとハッキリ自覚した。
山で、新茶みたいなグリーン×白×サーモンピンクで
師匠が盗んだ銃を返しに行くよう言われた後、
輿に乗っているところを、ユジンとカールとすれ違う。
「会いたかったようだ。
私が彼女に、だ。
今、気づいたよ。」
きゃぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ(≧∇≦)
いいよね、いいよねー(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ただ気になるのか、好きなのか、行ったり来たりする時期。
軍服着て、肩幅広くて、ガチガチに固そうな人物が
こういうソフトで甘いこと言うの、たまらん。
しかも、ローガンの寡婦が、手を上げた時に
「奴婢ではなくて、労働者です」って言うところも
本当に素敵。
GRORYで、4人が一堂に会するところも、大好きなシーン。
「ご挨拶して。お嬢様の許嫁よ」と支配人に言われるユジンの驚き。
「腰に下げたものを出すなら、外へどうぞ」との支配人の言葉の後の
刀と銃のショット。
そのあとに
「せっかくだから三人で酒でも」
「酒は嫌いだ」
「酒を飲んだら、一人殺してしまいそうだ。
あ、二人か。」
このブロマンスのバランスとセンス、最高すぎる。
銃を返した後、塀を乗り越えたところで見つかるエシン。
みつけたドミは、めでたく公使館勤務採用。
一緒に歩きながら
「美青年だったが、近いうちに結婚するのか?
気になってたんだ。
本心だ。
本当に気になって聞いた」
って、、、、(≧∇≦)
顔が真面目だし、(怖いし←)
愛の言葉って、ぱっと見だと気付かないくらい表情も硬いんだけど
ぐいぐい好きオーラ、出してきてるーーー
「侵入した現行犯が図々しい。
送るよ。一人は危ない。
一番安全なのは、私の隣だ。
私が目を引くからな。」
どこに行けば
「見えている間は安全だ」って言ってくれるリ・ジョンヒョクか
「一番安全なのは、私の隣だ」って言ってくれるユジンに
見初められますかね・・・・・・・・
「平穏じゃなかった」(手紙)
「並んで歩くのもいいわね」
「危うく言いそうに・・・
行くな。もっと歩こう。
遠いあの地まで並んで、と。」
人生、併走して欲しかった(´;ω;`)ウッ…
「馬は行進できない」と諸悪の根源、イ・セフンに泥をつけさせたあと
居酒屋で。
酒が嫌いなのでは?と問われ
「あなたが嫌いだから適当に言っただけだ」
「嫌いな人が多いんだな」
「僕を仲間外れにするとは」
「もし二人が争ったら、どちらが勝つ?」
「最初に殺されるのは、君だ。」
「二人はなぜいつも怒ってるんだ?」
この3人の会話、本当に楽しい。ウィットに富んでいて
素っ気ないくせに、通じていて。
要は、「憎むべきが、気に入ってしまった」のね。互いが、互いを。
エシンが書いたアルファベットのユジン・チョイは
iの上の点がちょっとハートに見える。
ユジンは、美しい母を思い出し、その美しさゆえに招いた悲劇を
思う。
露信銀行上海支店の証書には、「皇帝の指示により処遇される」とある。
金額は10万。今でいういくらなんだろうか。
これは、命に関わるものであり、朝鮮の運命であり
誰だろうと持ってる者は死ぬことになる、というもの。
ついに、ヒソンがキム・アンピョンの息子であることが発覚。
不協和音のOST。
この目の前にいる男が、あの時の胎児?という戸惑い。
でも、終始笑みを湛えている口角が下がり、目に諦念が浮かび
「どちらです?
僕の祖父か
あるいは父のほうか」と問うヒソンを見て、
彼もまた暗く黒い哀しみを負うていることを知る。
窯場でユジンと会えたエシンは
「昼間に会えるとは、なんだかうれしい」という。
両親を殺された恨みから、一族一人残らず始末するつもりもあった
ユジンだったが、ヒソンの許嫁であるエシンに、ついに、
ついについについに、あの台詞を言う。
初見で、全私が崩壊した、あの台詞を。
ここまで、初見では、ユジンの気持ちがよく分かっていなかったけれど
決定的になった、あの台詞。
「今でも有効か。
”私としよう”と。
その返事を。
ラブをしよう。
私と。
二人で。」