松方コレクション展に行く
今日は午前中に歯医者に行き、それから家に帰り少しの休養のあと上野へ。上野の展覧会といえば昨日から開催されている東京都美術館の「コートールド美術館展」が美術好きと言えば非常に熱いところですが、それよりもまずは開催期間が残り短い方にということでこちらに行ってきました。
今回行ったのは国立西洋美術館に収蔵されている「松方コレクション展」です。国立西洋美術館といえばル・コルビュジエによる設計した建物の一つとして世界文化遺産になっているのも記憶に新しいところだと思います。
さて松方コレクションを主に収集したのは松方幸次郎という方で、幕末に生まれ川崎重工業の前身である川崎造船所の社長として手腕を発揮し政財界でも非常に強力な顔を持つまでに至った方です。
そして松方氏は「日本における本格的な西洋美術館の創設」をかかげてヨーロッパで絵画や彫刻を買っていきコレクションを増やしていきました。
この西洋美術館の創設というのは当時の学生たちが「西洋の美術を学んでいるのに本物の作品を見たことがないのは何事か。なら本物を見せるために美術館を作る」というのが理由となっているようです。
さてそんなコレクションですが、初期は当時親交の深かったフランク・ブラングィンをはじめとした海や船にまつわる作品が多く、後年にはヨーロッパの数多くの場所でゴッホやモネ、そして彫刻だとロダンなどの今や誰もが知っている作家たちの作品が多いという特徴があります。
そして二回の大戦の中で敵国としての財産没収や倉庫の火災による紛失など時代の波に飲まれながら今のコレクションとなっていきました。
今回のコレクションを見ていると有名なところがそろっているというよりも時代に合わせて集まっていったという印象を持ち、コレクションとしてのトータル的な価値よりも歴史という点で見ることが非常に重要だと感じました。
特に前年の海や船をモチーフとした作品群は造船所で働いているからこそ共通する部分に感じたからだと思いますし、後年は彼の人というよりも人とのつながりの結果として集まったという印象がとても強く感じました。そのため統一感というよりも「日本に西洋作品を見せたい」という思いの強さを感じました。
ということでこれを書いている時であと1週間と少ししかないですが、時代に翻弄され、そして国立西洋美術館設立のきっかけになったコレクションたちを常設ではなく企画として見ることができとても良かったように思います。次は東京都美術館の「コートールド美術館展」といきたいところですが、来月のゴッホ展を始めとして気になる展覧会をいくつか見つけたのでそれらのどれかに行くかもしれません。
破れてしまった上半分をデジタル復元して作られたモネの睡蓮
国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展
会期:2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)
会場:国立西洋美術館
展覧会公式HP:https://artexhibition.jp/matsukata2019/
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