そらを自由に飛びたいな

わたしのまちがいだった
わたしの まちがいだった
こうして 空をながめると それがわかる

そう彼はつぶやいた
そんなにも自分のまちがいを なっとくするときがあったのか
そんなに自分のまちがいが 沁みるときがはたして わたしにあったのか 

そらをながめないから
部屋の天井しかながめないから
わたしはわたしのまちがいをしることができない

たった一度でも
たった ひとつでも まちがいに気づくことができたら
つみあげた すべてが崩れ落ちてしまう

部屋の壁を眺めておぼろげにおもう

わたしはまちがっている
これは わたしの まちがいではない
あなたのまちがいで
あなたの まちがいでもない
みんなのまちがいで

つまり わたしのまちがい なので ある

空をながめずに わたしは 死ぬのだ
部屋を眺めて わたしは 死ぬのだ
間違いに気づかぬまま
気づかぬふりを つづけたまま みんな死ぬのだ

まちがいに 気づかぬまま みんな しぬ




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