大判、屋外デビュー
先日、ちょっと足を伸ばして「誰もいないであろうスポット」へ、Rittreck Viewを持って行きました。
向かった先は、佐賀県にある「泉山採石場」。
ここは有田焼の原料となる石を採掘していた山…だった場所です。
焼き物が好きな方々の間では結構有名なスポットなようで、
「山ひとつお茶碗にした」
という逸話が語られる場所。
現在でも採掘されているかどうかはわかりませんが、採掘坑の入り口を遠目に見る事ができます。
Rittreck Viewに初挑戦となる「4x5のリバーサルフィルム」を入れて撮ってみました。
さらにリバーサルフィルムの現像も初挑戦でしたので、発色はあまりキレイではないものの、像を得る事自体には成功したようです。
何しろ使用期限が四半世紀前に切れているフィルム。まともに写せているかどうかもちょっと不安でしたが、まぁまぁ記録自体はできています。
併せて持っていったのが、もうすっかりスタメンになったMamiya C3。
こちらに105mmのレンズを着けて、PRO400Hを入れて撮影してます。
ついでに、カバンの空きスペースに詰め込んで行ったのが6x9が撮れる蛇腹カメラ、NORCA 3Super。こちらにはFomapan 200を入れて行きました。
MamiyaとNORCAで撮った写真は、まだ一部しかスキャンが済んでいませんが、データ化が出来たらまた別記事に載せようと思います。
今回Rittreck Viewを持っていって感じたのは、
・大判カメラを使うなら、三脚もそれなりに耐荷重が高いものが必要
・フィルムが嵩張ってしょうがない…
・大判スナップとかもうとんでもない
・でも撮ってて一番楽しいかもしれない
と言ったポイントです。
三脚は、今手持ちの中でもっとも耐荷重が高い、6kgくらいまでイケるのを使いました。
Rittreck View本体が大体3.5kgくらいでしたので、まぁ余裕を持って対応できるくらいです。
ただ、それでもフィルムホルダーを抜き差しするときには、カメラの向きや角度が変わったりしないよう、結構細心の注意が必要だったりします。
そして今回、初のカメラ持ち出しで実感したのが、フィルムホルダーの嵩張り具合。
ホルダー1つでフィルム2枚が入っている状態のものを、今回8つ持って行きました。
その内撮ったのは4つ程度、つまりフィルム8枚分だったんですが、このフィルムホルダーの運搬は工夫が必要だなと実感しました。
何しろ嵩張るんですこのホルダー。
5x7や8x10のホルダーに比べれば全然そんな事ないとは思いますが、フィルム16枚分なのに、カメラ本体(Rittreck View)よりも体積がデカくなります。
そんな具合ですので、大判カメラ持って気軽にスナップ♪とかもうとんでもない所業です。
5kgのダンベルでお手玉できるくらいの怪力であれば良いんですが…
僕もHNに「怪力熊男」という名前を使ってはいるものの、実際そこまでの怪力はもうありません。さすがにキツいです。
ただ、街中に持っていって、いろいろ撮ってみたいなーという衝動に駆られる事がちょくちょくあります。
この日は35mmのカメラは持って行きませんでしたが、これまで35mm判、デジカメ、中判、大判といろいろ撮ってみて、一番「写真撮ってる感」が強くて楽しかったのは、大判カメラだったかもしれません。
Mamiya Universal PressやRB67などの、実に原始的、プリミティブなカメラを使って撮ってるときに楽しさを覚えるような性格なせいでしょうか。
特に、大判カメラの使用感はRB67と酷似してます。
インターフェースや造り、形状などは全然違うものになりますが、
・蛇腹でフォーカス合わせ
・シャッター機構はレンズにある
・露出もシャッターレンズで決定
・遮光板を引き抜いてからシャッター
といった「写真を撮る動作」に関する部分はかなり似通ってました。
技術的に難しいポイントがあるかと言われれば、僕に撮っては「Eos Kiss X3を使いこなす方がよほど難しい」と感じます。
もちろん、チルトやライズ、シフトなどの技法をマスターするのには相当な時間がかかりそうですが、それらの「機能」の意味の理解やどうやって使うかといった構造的理解に対する難易度は、デジカメの方が高いような気がします。
カメラを初めて1年と2ヶ月ほど。
これまでクラシックカメラ、オールドカメラを使って来ましたが、大判で実際に撮ってみてますますカメラを使う楽しみが増えてきました。