丁寧「じゃない」暮らし
普段コーヒーを飲む時は、自分で豆を挽いてドリップして飲みます。
ちょっとしたバッグやポーチ、それにペンケースなどは、手回しミシンや手縫いで作って使うことが多いです。
何ならポーチやバッグなどに使う布も、自分で織る事も少なくありません。
そしてカメラはデジタルではなく、フィルムのカメラで撮ることが圧倒的に多くなりました。
こういった事を書くと
「いわゆる丁寧な暮らしとかいうやつか」
と感じられる方もおられるかと思います。
ぶっちゃけた話、丁寧でも何でもありません。
むしろ僕はこの「丁寧な暮らし」という言葉が、あまり好きではありません。
コーヒーは「豆を挽く」ところからやるのも、単純にそれが美味しいから。
挽きたての豆で淹れるコーヒーって香りも良いし、慣れると挽き加減の調整で味変も楽しめます。
それに、自分でこの辺の作業が出来るようになると、自宅で好きなときに美味しいコーヒーを飲めるので安上がりです。
ハンドメイドも、端的に言えば
「欲しいと思うものが、どこにも売ってなかったから自分で作った」
というだけの話。
自分で作ったものを自分で使って、欲しいという方にはお譲りする、という程度のもので、副業にすらなってません。
手縫いで作ったり、手回しミシンを使うのも、分厚くて硬い革や帆布を使うことが多いから。
布を織るのも、「綿素材で出来たシンプルな柄の丈夫な布が欲しい」と思ったものがなかなか見つからなかったので
「じゃあ作っちまうか」
という軽いノリで始めたものです。
何よりも、「作る」という工程が楽しくてやっています。
そしてフィルムカメラを使うのは、単純に楽しいから。
ファインダーを覗き込んで構図を考えて、
レンズのリングを手で回してピントを合わせ、
同じくレンズのリングを回して絞りを調整して、
カメラ本体のダイヤルでシャッタースピードを決めて、
そしてシャッターボタンを押す。
最新のデジカメなら、下手すれば数十枚の写真を撮れるであろう時間をかけて、やっと1枚の写真を撮る
それの何が、どうして楽しいのか、と問われたら、
「自分で写真を作っている感じがするから」
と答えます。
ハンドメイドもそうだし、自分で豆を挽いて入れるコーヒーもそう。
「自分で作り上げる実感を得られる」
という事が楽しくて仕方ありません。
なので、決して丁寧というワケではないんです。
雑な事も結構多いです。
もちろん、デジカメでもマニュアルモードを使えば、同じような事はできます。
なのにどうしてフィルムカメラを? と問われたとしたら、これはもう単純な好き嫌いの問題で、
「電気がなくても動く機械が好きなだけ」
という理由になります。
コーヒーミルも、ミシンも、織機も、そして今僕が使っているフィルムカメラの多くも、電気がなくても動きます。
バケペンは電池がないとシャッターが切れず、Rollei35やPentax SPも露出計を使おうとしたら電池が必要になりますが…
最近特に出番が多いMamiya C3にRB67やNORCA3 Superなどは、電池を一切使わないで済むカメラ。
しょっちゅう使うカメラと、たまにしか使わないカメラが次第に分かれてきていますが、この記事を書いている最中も、やはり「電気がなくても動く」というのは、メカ好きにとっては大きな魅力なんだな、と改めて実感しました。