都会に長く住みすぎたせいだろうか
五月蠅すぎるのもどうかと思うけど、あまりにも静かすぎるのも少し薄気味悪さを覚えたりする。
洗濯物のシワを伸ばす音
上階のゴソゴソとした物音
隣人の嫁の下品な笑い声
これが深夜遅くまで響くなら苦情ものであるが、人の微かな気配を感じる度に、何処かホッとしている自分がいる。
何か考え事をするのには、田舎暮らしの窓から見える星を眺め静かな夜を味わってみたい気もするが、近隣の家も見えない中で何かの気配を感じてしまったら……と想像すると薄ら寒い気持ちになって、
「やっぱり無理かも……」
と、心の中で首を左右にプルンと振って諦める。
密接に人と関わることは避けたいけれど、誰かの生活音は微かに(何度も言うが微かにということが重要)感じていたい。
なんともツンデレな寂しがり屋である。
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