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師走の仕分人

「いよいよ断捨離をせねば……」

-と、のっぴきならない事情があり、本からキッチン道具、布団、そして特に手こずっていたのは頂いた手紙を「いる」「いらない」と仕分けていかねばならず、面倒くささ半分、残り半分はタイムカプセルを開けていくような心持ちで進めていた。

中学生時代からの友人と、どちらからともなくクリスマスカードの送り合いっこを続けて、早○十年が経つ分、カードの量も年々増えてきてはいるものの、封筒から取り出してメッセージを読んでほっこりしては、「やっぱりこれは捨てられないなぁ……」とブリキの缶へと戻す。

また知人の紹介で出会ったコピーライターをしていた男性からは、

「エッセイまた読ませてください。」と毎年書き添えてくれる年賀状を眺めては、書くことから離れていた時期があっても、頭の片隅に私の居場所があることを教えてくれた人だったな……としみじみと思い返したり、

そして、私の事を孫のように可愛がってくれた叔母や、優しかった従姉妹のお姉さんの手紙、その中に入れられた写真に触れては、あの世から見守ってくれているのかなぁ〜と、しんみりしてみたり。


結局……


「全てを捨てて綺麗さっぱり断捨離をしました!」ということは、私には難しくって……(笑)


メールやSNSのメッセージなど、気軽に声をかけやすいという便利さも良いけれど、相手のことを想ってペンをとる手紙は、事故にあったり捨ててしまわない限り、思い出した時に取り出すことのできるタイムカプセルだと言えるのかもしれない。

この断捨離が少し落ち着けば、私も大好きな先輩や後輩、友人へとペンに想いを乗せて走らせてみようかな。




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