読了後の呟き〜この本のここが好き〜その5
こんにちは、皆様ご機嫌いかがでしょうか?なるべく涼しいところでお過ごしください。毎度のことながらネタバレありですのでお気をつけください!
あまり多くのネタばらしはしないように心がけます、ちょっとだけ多めにみてください。
本日はこの本で記事を書いてみました。
好きな作品なんです、ロード・エルメロイⅡ世の事件簿。余談ですが、ソーシャルゲームのFGOでようやくエルメロイと結びつきがある孔明というキャラクターを手に入れました。うれしかったです。
変わりたい、そう願う人に読んでほしい
これを読んだとき、引き寄せの法則というものを感じずにはいられませんでした。ちょうど自分自身がこのままでいいのかどうか悩んでいる時に出会った本です。そんなふうに、変わりたい、一歩踏み出したいと思った人の背を押してくれる本だと思った。
前提として、ライトノベル調でも読むという人や、アニメ・漫画に対して嫌悪がない人というのはあります。小説が苦手という人でも、読んでもらいたいと強く感じた作品です。
幸せとはどういう状態か?
そもそも、それは人によって定義が違うものです。それは自分自身で探せというのがありふれてはいるけど、確実な答えでしょう。メインキャラクターの一人にグレイという少女がいます。
グレイは同じくメインキャラクターの一人であるロード・エルメロイⅡ世と出会うまでは、生まれた村から出たこともないような女の子でした。外に出るには山奥で、電気も通っていない村です。なので、外に飛び出すというのは相当に勇気いる行為なのだと想像はできます。
外の世界を知らず、村に伝わる古い因習に縛られていることが楽だと感じている子供。だからこそ新しいものに興味を抱かず、変化のない村社会でも生きていける。それがなぜ外に出ることになったのか、というお話です。
無関心な少女を動かしたもの
そんなグレイを動かし、外に出ようと思わせたのがロード・エルメロイⅡ世でした。エルメロイはエルメロイで、とある理由で私欲により村を訪れた人間です。閉鎖的な村ですから、外からの客人というのは警戒されて当たり前という土地柄。
その場所で暮らしている少女に、この人にならついていきたいと思わせたものは、情熱でした。彼の情熱が変えた、その口説き文句は作中にはないけれどそれだけでワクワクが止まらなかった。熱は人に伝わる、それって素敵なものではないでしょうか?
他人に好奇心や興味を抱かせ、行動させるのはかなりカロリーのいることです。思うだけなら楽、動くのはリスクが伴う。それでも自分は行動したいと、グレイを通して切実に感じました。
そもそもエルメロイって自己肯定感が高い人?
違います。彼は過去、やらかして師匠にあたる教師を死に追いやりました。どうしても勝ちたい勝負で負けて、彼に大きな影響を与えた人物をなくしました。あの時に負けたのは自分が劣っていたからだ、自分に大きな影響を与えた恩人は優れていた。その証明がしたくて十年間準備をしているキャラクターです。
その準備のために村を訪れた、というところからこの話ははじまります。
自信がない、と作中の台詞があるエルメロイが人を動かす。それはこのシリーズに散りばめられた表現です。才能がないことを自覚していながら、才能のある若者を導く教師という顔も持つキャラクターです。本作品ではその彼に素晴らしい表現を贈った人物がいました。
自信こそが世界をよりよくする要因である。
もう、作者の三田誠さん好き。こういうのをさらっと、いいタイミングで入れてくるから好き。
この一文と、怖がりで部屋の隅にうずくまって動けない女の子が変わろうとする姿に熱を移されたような気がした。
最後に
作者の三田誠さん、素晴らしい作品をありがとうございます。本当に大好きです、ありがとうございます。出版に関わってくださった編集者や、印刷業者、書店の皆様に感謝します。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。