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「逆」を考えると 本質を見つめることになる

反対言葉を考える、というワークを考えたことがあります。
何かのエッセイを読んだことがヒントになったと思います。

やってみましょうか?

「〈山〉の反対言葉」は 何だと思いますか?




答えは1つにはなりません。

夏のレジャーをイメージした人の答えは〈海〉
陸地が盛り上がっている形状をイメージした人は〈谷〉
高さが変化していることに注目すれば〈平地〉
人里離れたところをイメージした人は〈都会〉や〈里〉
忍者?の合言葉を思い出した人は〈川〉

・・・などなど、その言葉が象徴することは何かを、無意識に1つに決めて、それに対しての「逆の意味の言葉」を答えているんですよね。

あなたにとって「山」はどんな意味を持ちますか? と問うと、身構えてしまって、「なんかカッコいい名言を言わなきゃいけない」気になるかもしれませんね。でも「反対言葉は?」と言う聞き方だと、カジュアルな感じで答えられて、そこに1人1人の考え方の違いが現れそう。面白いんじゃないかな、と思ったんですよね。

例えば、〈あそび〉はどうかな。
ぱっと考えれば〈まなび〉かもしれませんね。もっとも最近は、子どもは遊びの中からあそぶ、とか、あそびとまなびは同じもの、なんて言われるようになりました。私もその考え方に賛成です。「まなび」は、「あそび」を対になるかもしれないけれど、反対言葉ではない。

自主的なニュアンスを持つ〈まなび〉と比べて、〈勉強〉という言葉は、無理強いされるという語源を持つそうです。だから、〈あそび〉の反対言葉としては、〈勉強〉の方がしっくりくるかもしれませんね。
とはいえ、一般的に〈勉強〉だと思われている、例えば、字を一杯書くとか、計算をするとか、虫の名前を覚えるとか、そういうことが、楽しくて楽しくて仕方がない〈あそび〉なんだよ、と言う人もいるんですよね。

じゃあ〈まじめ〉はどうだろう。確かに、面白おかしい〈あそび〉に比べて、何かに真剣に取り組む様子は、逆のイメージかもしれません。
・・・でも。
そうなんです。子どもたちにとってあそびは本当に真剣なもので、まじめに取り組んでいるんですよね。

なんだか、ケチをつけてばかりいるみたいですが、それは、私が〈あそび〉というものを、広く広くとらえているからだと思います。子どもたちにとっての大切な営みで、自分で決めて、本気で一生懸命に取り組んでいるいて、それが、学びにもつながっている・・・って思っているからだと思います。

あえて言うならば〈あそび〉の反対は〈やらされる〉、かな、と思いました。たとえ、やっていることの中身が、絵を描く、とか、おにごっこ、とか、そういう「あそびっぽいこと」だとしても、やらされていることは、彼らにとっては、あそびではないのだろうと思うのです。

そうか、そんな風に考えれば、私の思う「あそび」は、行為ではなく、子どもたちの心の在り様を見ていたんだな、と気づきました。

「反対言葉」を考えてみるの、面白いですよ。
ちょっと難しい抽象的なお題で、複数の人でお互いの答えを伝え合えば、お互いの世界の見方を知ることができて、発見がたくさんありそうです。

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