「アンナカレーニナ」
【アンナ・カレーニナ】
bunkamuraシアターコクーン
原作 レフ・トルストイ
台本演出 フィリップブリーン
チケットのリセールがあり思いがけずの良席が取れ観てきました。
3年前にコロナ禍による公演中止となった経緯があり、キャストの変更も経て宮沢りえさんが満を持しての登場。温めていた分だけ、いやそれ以上の熱量をひしひしと感じました。
さすがベテランの域に差し掛かるだけの役者さん、舞台女優としての存在感は他に引けを取らず類を見ないほど。
りえさん、まだ40代前半位かと思っていたらもう御歳49歳だそうですね。
50代間近の大人の落ち着きと艶も出てロングドレス姿が板につき、舞台装置にぴったり溶け込みそれはそれは美しくてうっとり。
年齢と経験を重ねた安定した演技は、ベテラン俳優の小日向文世さんとの丁々発止のやり取りでも目も耳も離せなかったです。
「アンナカレーニナ」、
映画で観た印象が強く悲劇的なラストが頭に刷り込まれていましたが、舞台ではアンナを取り巻く人々の苦悩、葛藤、未来も丁寧に描かれて、それでも希望を失わない明るさを予感させてくれました。
休憩を挟み4時間近くに及ぶ大作でしたが退屈する事なく、かつてのロシアの栄華とそこに描かれた人々の生き様や歴史は、単なる不倫恋愛物ではない長編文学ならではの凄み、重みが素晴らしかったです。
カーテンコールは3度。
りえさんの2階席3階席にも視線をゆっくり移しての三方礼は、故森光子さんを思い出させ、下手舞台袖で再び立ち止まり魅せてくれた満面の笑みと立ち姿は、座長としての風格と威厳すら感じられた舞台でした。
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