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茶の湯の道に入門して40年ほど、お弟子さん、生徒さんの初級お稽古指導は20年ほどになり…

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茶の湯の道に入門して40年ほど、お弟子さん、生徒さんの初級お稽古指導は20年ほどになります。 茶の湯にまつわる四方山話を中心に、 空いた時間で行く観劇の話や、興味ある芝居の話。 ヨガの瞑想、メディテーションの話など時々書いています。

最近の記事

まわり地蔵

【まわり地蔵】 狛江市泉龍寺にある延命子安地蔵尊は、江戸中期から昭和19年頃まで「まわり地蔵」と呼ばれ、都内各地や遠方では埼玉までと広範囲に渡る講中の家々を巡行していたそうです。 厨子に入れられた背負子(しょいこ)で背負われたり、それに代わる大八車(だいはちぐるま)に似た小型の黒塗の車などでの、ほぼひと月あまりの巡行と、かつての時代からすると結構な長旅だったのではと推察します。 旅先では信者の家をお宿とし、 子どもの健やかな成長を願う家や子どもが授かるのを願う家が担い、一

    • (奥伝稽古】

      【奥伝稽古】 前回から少し間が空いてしまった、真の炭、大円之真の稽古をつけて頂いた。 教本のない奥伝は師匠からの口伝。稽古終わりに記憶を辿りながら帰りの電車の中やカフェに立ち寄りメモ書きして点前の記録として書き記してきた。 何年も繰り返し稽古を重ねて、メモがいよいよ完成したかと思いきや、 自分の記憶違いか書き間違えなのか、違和感の拭えない箇所が出て来ては、古いノートも引っ張り出して見直し調べたりの繰り返し。 これで良しとする所は、いつまでもあり得ないのだと実感。 「言葉に

      • 「アンナカレーニナ」

        【アンナ・カレーニナ】 bunkamuraシアターコクーン 原作 レフ・トルストイ 台本演出 フィリップブリーン チケットのリセールがあり思いがけずの良席が取れ観てきました。 3年前にコロナ禍による公演中止となった経緯があり、キャストの変更も経て宮沢りえさんが満を持しての登場。温めていた分だけ、いやそれ以上の熱量をひしひしと感じました。 さすがベテランの域に差し掛かるだけの役者さん、舞台女優としての存在感は他に引けを取らず類を見ないほど。 りえさん、まだ40代前半位かと思っ

        • 茶の湯と演劇

          【茶の湯と演劇】 茶の湯と演劇は似ているなぁ、と以前に書いた事がありましたが。 例えば時間を守る事。 茶事では集合時間の15分前には着き、身支度を整え全員揃ったら腰掛待合で亭主の迎え付けを待つ。 演劇も開演5分前には着席しコートを脱ぎ携帯の電源を切るなどする。 茶室に席入して全員が着座し静まると、やがて亭主を迎える。 劇場内の照明が落とされたり音楽が止むと、おしゃべりも止み静かに始まりを迎える。 茶室の中は一座建立。 劇場内はキャストと客との一体感。 濃密な時間が流

        まわり地蔵

          己との対峙

          【己との対峙】 これだけははっきり言える。 茶の湯に出会っていなかったら 全く違った人生だったろうと。 迷い悩む時も、 茶の湯があって、 茶の湯に支えられ、 茶の湯に励まされ、 いつも傍らにあった。 そして、 恩師、 姉弟子、兄弟子、妹弟子、弟弟子、 仲間、茶友、 大切な人間関係が出来ていた。  忙しい時だからこそ、 大変な時だからこそ、 難しく考え過ぎないで。 答えを急がないで。 私もそうして来たから。 そして、 いつでも、 どたなでも、 気軽にお茶飲みに遊

          己との対峙

          【供茶】

          【供茶】

          後炭の美しさ

          朽ちたかに見える炭をおこして新たに炭をくべていく。やがてパチパチと音を立てて火がおきだす。 ゆっくり赤々と輪胴にも火が付き出し、後のお薄点ての為の湯が湧き静かに湯相が整い出すのがわかる。 火と水。 夏は名水点や洗い茶巾と涼を感じる点前を過ごした中で、炭手前では火を意識して観て感じる事で陰陽のバランスが保たれている。 丁寧にひとつひとつ、時間の経過も意識して体得していく稽古時間の大切さを実感。

          後炭の美しさ

          「大切なもの」を探す

          若い頃に読んだ本で印象に残っている一冊の中に、サン=テグジュペリの「星の王子さま」を挙げる方は多いのではないかと思います。「大切なもの」を探す主人公「ぼく」が、他の星からやってきた王子さまと出会うお話。読み進む程に教訓めいた深い意味のある言葉がたくさん出てきて熟考させられた記憶があります。 とうの昔に読み、すっかり忘れていたのに何かのきっかけでふと思い出してはまた読み返す、そんな愛読書です。 さて、あなたの「大切なもの」それは何でしょうか? 仕事、家族、健康、お金、あるいは幸

          「大切なもの」を探す

          丁々発止のやり取り

          藤山直美と言う役者さんの名前は知っていても、喜劇役者という程度しか知らないでいました。生前は中村勘三郎さんと親交が深く、お二人が共演されたお芝居はとても評判良かったそうです。 以前耳にした一説によると喜劇やお笑いで言う所のボケとツッコミは、陰と陽で成り立っていると聞いた事があります。陰のボケがあるから陽のツッコミが引き立ち、笑いの深淵に触れる事が出来るのだと。 そしてそれは、お芝居おける丁々発止(ちょうちょうはっし)のやり取りを楽しむ事にも相通じるのではと感じています。

          丁々発止のやり取り

          三人の師を持て

          仕事や自己啓発の為、趣味の為など様々な場面で学びや教えを受ける事がありますね。 昨今、巷では師匠と言う言葉がよく使われますが、殆どの場合は講師と受講生、或いは先生と生徒に当たるのではないかと感じています。 師匠と弟子、いわゆる師弟関係と言われる所の本来の師匠とは、落語や日本舞踊などの芸事、茶道や華道における家元制度のお稽古事、剣道や柔道などの武道が代表的なものに当たるのではないでしょうか。 この師匠について語ると長くなるのでまたの機会にでも^_^ さて表題の「三人の師〜」で

          三人の師を持て