訳詩: ほらこうして季節は…
ほらこうして季節は移りゆく
影が広がり 青空はうなだれ
冷たい風が丘を吹きすぎ
鳥はふるえ 草はこごえている
八月と九月が 互いに争い
海からは 幸運の鳥が去り
日ごとに 日は一分ずつ短く
朝ごとに 暁の光は嘆いている
まるで 罠にかかったように
一匹のはえが天井に止まっている
まるで 雪の白い結晶のように
少しずつ 夏はとけてゆく
ヴィクトール・ユゴー
Voici que la saison décline,
L’ombre grandit, l’azur décroît,
Le vent fraîchit sur la colline,
L’oiseau frissonne, l’herbe a froid.
Août contre septembre lutte ;
L’océan n’a plus d’alcyon ;
Chaque jour perd une minute,
Chaque aurore pleure un rayon.
La mouche, comme prise au piège,
Est immobile à mon plafond ;
Et comme un blanc flocon de neige,
Petit à petit, l’été fond.
Victor Hugo
*****
「旅」の話をしてくれた弟ではなく、カフェで働いている上の弟から、お店の看板に書かれたこの詩を訳してほしいと依頼された。
同じ詩をこんなふうにすてきに訳している方も発見。
少しずつ 季節は移りゆく。
毎日noteを読み尽くすことはできないけれど、少しずつ、詩とつながりを持てることが幸せ。そして自分が書いた詩が、また立ち止まることを忘れていたと、気づかせてくれる。
いいなと思ったら応援しよう!
お読みいただき、どうもありがとうございました!それだけで十分に嬉しいです。
もしもサポートをいただいたときは、ほかの方の詩集に、そして私が詩を書いている日々のノート(440円)に使わせていただきます♪