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【本ツイ!】壱万円、のち、愉快な仲間たち📚

ついにこの日がやってきた。

キャッシュレス化が普及している今日に、わざわざ渋沢さん(もう諭吉さんと呼べないのが名残りおしい)を握りしめて本屋に向かう日が来るとは思ってもみなかった。

だが、なるべく忠実に、再現をするために。
紙幣で支払いたい。それも、新宿のあの、ブックファースト店さんで。


そうそう、こちらの影響をどっぷりと受けております。

出版区さんのyoutubeチャンネル企画、
「本ツイ!-本屋ついてって1万円あげたら何買うの?-」

著名人の頭の中を覗くをテーマに、1万円をお渡しし本屋さんでの買い物に同行させていただく企画。

youtube公式ページより一部引用


何それ!おもしろそう✨
やってみたい//

いつか、いつの日か…
と思い続けて、どのくらい月日が経ったのだろう。

本屋にふらりと立ち寄り、「あ!これ欲しいな」「あれ気になる」とあちらこちらに思考を巡らせるのは日常茶飯事のこと。それでも、購入するのは1冊、多くても2冊。もっと読みたいな…と思うこともあるけれど、次の楽しみにとっておこうと自分を宥めておきながら、その次の機会には別の本を買っている。

結局、あのとき手にした本は読まずじまい。
なんてことはよくある。



願わくば…
今読みたい!をぜんぶ買ってみたい。

と思いを募らせていた。



そのチャンスが到来したのは、3週間ほど前のこと。

「誕生日なにが欲しいの?」

年の暮れ。夫が私にそう訊いてきた。三十路はとっくに過ぎ、もう誕生日なんぞ喜ばしくないわ。と勝手に自暴自棄になっていた脳内に、

ひとつの光がすっと差し込んだ。


「あ…わたし本が欲しいな。一万円分」

「いいんじゃない?」

ひねくれた心に、誕生日プレゼントが”待ち遠しい”という、あの懐かしの感情が芽生えた。
それからというものの、どこの店舗で、どの本を買うか、ひたすらぐるぐると本屋をめぐる日々が続いた(迷惑おかしました)。



そして迎えた決戦日。

この数週間、「今読んでいる本を読み終えてからにしようかな」「積読がまだまだあるしなあ」と言い訳のようなことを並べては勿体ぶっていたのだが、

なぜか今日、
「今だ…!」と思った。

新宿ブックファースト店は目の前。
次の予定まで、わずか30分。本当なら時間をかけてゆっくり選びたいのだけれど、勢いにまかせて”今”を楽しみたい。そうも感じた。

ここで、今までの予習(いくつもの本屋を巡回してきたこと)が役に立つときだ。

いざ…!!



(前置き終了)


ここから、本日購入した本の紹介です📚

新しい仲間たちはこちら。


わたしの秘密デスク(押入れ)より📚


読む前から紹介、というのも気が引けるのですが、選んだ経緯や思い出などを忘れないように以下に書き留めておきます。


📖 1.納税、のち、ヘラクレスメス のべつ考える日々品田 遊

え??日記でこの厚さ?1500字 × 2000日の脳内記録!??「本当かしら」と、疑心暗鬼にパラパラとページをめくってみる。これは文句なしの文字数と密度!読み応えがありそう。またパラパラと、ひとつ日記を選んで読んでみる。……「おおお!!」著者の文章がおもしろい、それ以上に、行動と発想にギュッと心を掴まれた。静かに愉快な人、そんな印象を受けた。



📖 2. 『存在の耐えられない愛おしさ』 伊藤 亜和

かの有名な『パパと私』の著者。初めてnoteの記事を読んだとき「わ、好きだ」と思った。彼女の世の中を見る目、世界を捉える思考が、ひとことでは表すことのできない、強烈な個性を表しているのだと思う。アーティストと表現したいお方。



 
📖 3. 『細かいところが気になりすぎて』 銀シャリ橋本直

『本ツイ!』に出演されていた橋本さんをみて、買うぞ!と心に決めた本。テレビおろか、M-1すら生活から遠のいている私のお笑いブームは、不動のサンドイッチマンでガチガチに固められている(彼らの愛ある笑いが好きだ!)。新しいものはいいかな、と思っていた心に、すすっと隙間風のように入ってくる橋本さんのスマートな笑い。ご自身を「サラリーマン芸人」と表現されていて、なんだか腑に落ちた。




📖 4. 『財布は躍る』原田ひ香

人生のエッセンスを加えながら、食べ物にまつわる話をおいしく繰り広げていく、それが原田さん!というイメージがあった。ランチ酒(全3巻)ではその様子が圧巻だった。が、新しい作品はなんと、お金にまつわる話。どんな展開が待っているのか。お金の匂いがしてくるのかしら…?

 


📖 5. 『キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ』 長月天音

美しいイラスト表紙に思わずうっとりしてしまう。kindleunlimitedにて、1冊目を拝読し、続巻を購入。フードエッセイ・小説、とはまた違う。これは、レストランという場所への敬意を描いた作品なのだと思う。美味しいもの、そしてその場所で過ごす時間。夜だからこその、落ち着きと賑わいがある。




📖 6. 『虎のたくましい人魚の涙』 くどうれいん

『コーヒーにミルクを入れるような愛』を読んでから、かなり時間が経ってしまった。いつか、別の、作品を…と思いながら、いつも持ち歩くのは文庫本or新書サイズのもので、大きな本はうーんとなりがちだった。先送りした暁に、文庫本サイズが手に入りました🙏




📖 7. 『本日は、お日柄もよく』 原田マハ

おめでたいルックスの表紙に目が引く。原田さんの作品はもっぱらアート関連のものを読ませてもらってまして、今回は初めて別のジャンルの小説を。もうすぐ結婚式を迎える友人のことを思いながら読みたい。




📖 8. 『早起きのブレックファースト』堀井和子

”きつね色の皮の食パン、じゃこ天と目玉焼き” こんなの書かれたら、手に取らないわけにはいかない。手書きのフランス語が書かれた表紙にも興味がそそられる。偶然の出会いも、この企画の醍醐味だなあと実感。



📖 9. 『怠惰の美徳』 梅崎春生

以前書店で見つけて、読みたい!となった一冊。再会を果たしました。「怠惰」と「美」。一見、反するような意味にもとれるこのタイトル。頑張りすぎる現代人にぜひ手に取っていただきたい本だ。



他にも、2025年の美術展雑誌や旅行誌も欲しいものがあったのですが、やっぱり本。文章が読みたいな、と思いこの9冊をお家に迎え入れました。

合計、なんと9,994円
(予算1万円)

いい買い物をしたなあ。30分で選び切れたぞ!という達成感と、こんな幸せをいっぱい手にした充実感で、もうお腹いっぱいです。

当分の間は、心ほくほくで毎日が過ごせそう。



追記:
握りしめていた壱万円のことをすっかり失念し、メルペイで支払っていた。現金使うの難しい。👛



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