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〈展覧会のきろく✍️〉ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム @パナソニック汐留美術館

かんかん照りのお天気が続きますね。
お洗濯物がよく乾くわあ~と思いきや、いきなり大雨に見舞われる。

暑さと雨に注意報です⚠️☀️☔️


さて、🌂

心と身を清らかにするため、
先日こちらの展覧会にお邪魔してきました。

公式パンフレットより


椅子?北欧家具?有名どころのデザインとは一風変わってるような…
疑問がいっぱい。概要を見ていきましょう。


本展で紹介するポール・ケアホルム(1929~1980)は、20世紀デンマークを代表する家具デザイナーです。…ケアホルムの特徴は、石や金属などの硬質な素材を取り合わせた厳格なデザインにあります。…ミニマルで清潔な造形に凝縮されたケアホルムの仕事は日本の建築ともよく響き合います。

本展は、長年にわたり椅子研究と収集を続けてきた織田憲嗣氏(東海大学名誉教授)のコレクションを中心に、ケアホルムの主要作品を網羅した、日本の美術館では初めての展覧会となります。デザイン哲学と洗練された家具の造形美を、気鋭の建築家・田根剛氏(ATTA)の会場構成によりお楽しみいただきます。

公式HP 展覧会概要より一部引用。


北欧家具というと、”温もりのある木調のデザイン”を思い浮かべられる方が多いかと思います。

ポール・ケアホルムは、同じ北欧出身ではあるものの、目指すものは他のデザイナーと異なりました。
彼が求めたのは、次世代へと続くミニマルで新しいデザイン。それも、伝統を守ることを前提として。



そんなことが叶うのでしょうか?

謎を解明すべく、本記事では

「北欧家具 × ポール氏独自の発想」

に注目しながら観ていきます👀


家具・インテリア愛好家の方はもちろんのこと、
「北欧」「ミニマリズム」「デザイン」にご興味がある方にぴったりの作品展です🌳🌲🪑✨

どうぞお立ち寄りください^^




下記の通り、お届けしていきます。




Ⅰ. プロローグ 展覧会概要



まずは、映像をお愉しみください。🪑♪
全体像を感じていただけます。




Ⅱ.  テーマごとの紹介

本展は下記4 つのテーマで構成されています。

1. ORIGINS 木工と工業デザインの出会い
2. DESIGNS: 1951-1980 家具の建築家
3. EXPERIENCES 愛され続ける名作
4.名作椅子で味わう ルオー・コレクション

ひとつひとつ、たっぷり濃厚です。


順番にご案内していきます。
(※下記画像は映像をスクリーンショットしたものです。)


1. ORIGINS 木工と工業デザインの出会い

ポール・ケアホルムは、家具職人の資格を取得後、インダストリアルデザインを学びます。そこで当時教師だったハンス・J・ウェグナーと出会い、職人としてデザイナーとして新たな道を切り開いていきます。

小ぶりの展示スペースを、ベージュの色味がやさしく包みます。木調とも言えるこのアースカラーに、どこか北欧を感じます。学ぶ段階であったポール・ケアホルムの伝統を重んじる姿勢がうかがえます。




2. DESIGNS: 1951-1980 家具の建築家

椅子や家具など代表作50点ほどが佇みます。注目すべきは、素材と構造のディテール。無駄のないフォルムはまるで彫刻作品のよう。建築空間とのバランス、革新的なデザインを生み出した秘訣を体系的に学べる場です。

真っ暗な空間に、ひかえめな灯り。夜の深い時間。眠れない夜に、お気に入りのチェアに腰掛け、物思いに耽る。自然の音だけに耳を傾けて、あとは自分の世界にどっぷりと。この闇は、夜によるものか、自分の世界によるものか、境界があいまいになっていく…

座るという機能を果たしながらも、そこにある存在、反射する輝き、共に過ごす時間、余すことなくすべてを満たしています。それが彼の作り出す家具であり、芸術作品なのです。




3.EXPERIENCES 愛され続ける名作

あ、これ見たことある。”が見つかります。腰掛けた人は思わず、全身がほぐれていくような安堵感に満たされることでしょう。自ら主張はしない、だがないと困る。そう思わせる存在が一番つよい、とすら思うのです。


(※以下筆者が撮影した写真です。)

『PK22』
1957年 スチール・籐
「自然素材 × インダストリアル」
アンバランスさはどこにもなく、むしろ安定感をうむ。
似たもの同士婚はいい。けれど、違うもの同士で違いを認め合える夫婦は無敵なんだよなあ
(急に夫婦に置き換えてみる)。
『PK54』
1963年 スチール・大理石

重厚感のあるダイニングテーブル。
家族と友人と、文字通り机をかこんでワイワイ。
ひとり照明の影を眺めながら、うっとりするのもいい。
高さは、一般的な西欧テーブルより低い69cm。
広い空間にぽつり、狭い空間にしっかり。
どちらにも合わせられちゃうのが、彼の魅力です。
※作品詳細を知りたい方は、こちらへどうぞ。⇨🚪




4.名作椅子で味わう ルオー・コレクション

パナソニック汐留美術館さんにて収蔵されている、ルオー・コレクション。ポール・ケアホルム作品(椅子)に身を委ねながら絵を鑑賞できる、またとない機会です。絵画を自宅に飾ったら…名作チェアを生活に取り入れたら…と、想像してみるのもおもしろそうです。



『PK0』
1952年 成型合板
公園の噴水周りにいそうなモニュメント。
モンスターズインクに出てきそうなキャラクター。
え?椅子なの??
騙されたと思って座ってみてください。
沼が待ってますので、ご注意を。
『PK4』
1952年 スチールパイプ・フラックハリヤード
なんて、華やかでエレガントなお顔なのでしょう。
一切の圧迫感を与えず、軽やかで爽やか。
この椅子に見合う人になりたいと思うだけで、
人生が拓けそう。
『PK22』
1956年 スチール・革
3のパートで紹介した子の兄弟(素材違い)です。
装いが変わるだけで、クールな印象にもなる。
先程の夫婦の例で言うと、こちらは似たもの同士婚。
「バリキャリ夫 × バリキャリ妻」の世界観。
『PK15』
1979-80年 ホワイトアッシュ・籐
やられた…一目見て、ぐっときてしまいました。
寄りかかってみると、ああやっぱり、の確信に。
この感覚に言葉をつけるなら、
”一目ぼれ”とでも言うのでしょうか。
デザイナー最後の作品。きっとこの子は特別。
『PK9』
1960年 スチール・革
唯一無二”
この椅子に座って、そう言葉が浮き上がってきました。
スタイリッシュでミニマルな外観からは想像もつかない。
後ろからそっと支えて、やさしく包み込むような存在。
例えるなら、凛としていてしなやかで美しいひと。


大満足の体験ツアーでした🙏


・・・


Ⅲ. (感想)


生活をつくるもの。

食事、仕事。

住まい、家具。

でも、一番大切なのは、やっぱり人なのです。

自分も、家族も、友人も。出逢う人々も。


ひとりのデザイナー人生を通して、
大切なものに気づかせてくれる、展覧会でした。



東京メトロ 新橋駅 構内にて。




*詳細*
◾️ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム

会期:2024年6月29日(土)〜 9月16日(月・祝)
開館時間:午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:水曜日(ただし9月11日(水)は開館)8月13日(火)〜16日(金)
入館料:一般1,200円、65歳以上1,100円、大学生・高校生700円、中学生以下 無料 



*参考ページ*
◾️ポール・ケアホルム展 公式HP
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/24/240629/#exhibition-detail-moredetail

◾️Poul Kjærholm Timeless Minimalism 公式youtube


◾️DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)HP, POUL KJÆRHOLM紹介ページ


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