処暑とユーカリ
立秋が終わり、8/23月曜日から「処暑」の節気に入りました。
「処」は「ところ」とも読むことから「すえる」「おちつく」といった意味があります。ある場所に収まる、というか、暑さの居所が定まる、というか、なんか「暑さの峠を超えてひと休憩ですね」、みたいな雰囲気が「処暑」の漢字から読み取れます。
暑い日ももちろんあるのだけれど(今日はとっても暑い!!)、時折涼しい風が吹く日があったりして過ごしやすい時も混ざってくるころ。(先日突然のスコールが降って、自転車だった私は高架下で足止めされていたのですが、止んだ後とっっても涼しくて気持ちよかったです。)それによって気温差や気圧の変化も大きく、喘息などの肺にまつわる不調が出やすい頃でもあります。
五行(木火土金水)でいう「秋=金」の頃は【肺と大腸】が要の臓器となります。なのでここからの時期、とくに【肺と大腸】をしっかりケアしてあげることで季節の変わり目も大きく体調を崩さず健やかに過ごせるかと思います。
ちなみに私もそうですが…日本人はなで肩のひとが多く肩が内側に入りやすい。すると肺も大腸も圧迫されて動きが弱くなりやすいのですね。
シンプルに肩や胸を開くようなストレッチをしてあげるだけでも【肺と大腸】のサポートになります。
特に今まさに私もそうなのですが笑、PCに向かってキーボードを打っている時というのは気をつけていたって肩が前に。。より意識的に開いてあげることをしないとそれが常態化していきます。
そんな時にひとつおすすめが(もちろんこまめなストレッチもですが)、作業をしているデスク脇に精油を香らせてあげること。アロマストーンやディフューザー、なんならティッシュなどでもいいと思います。自分が好きだと思う香りを吸う時って普通の呼吸よりも自然と深く長くなります。いい香りも楽しめて、精油の有効成分も取り入れられて、呼吸も深くなる。
空気に乗ってふわっと精油が香ってきた時に、姿勢を改める、軽いストレッチをするなどど決めてみてもとっても良い習慣だと思います。
特に今は在宅ワークされている方なども多いと思いますので、ぜひお試しください◎
この時期おすすめの精油
若干話が逸れましたが、そんな【呼吸】や【肺】と深い結びつきのある植物、精油をこの時期におすすめの精油としてご紹介しています。
それが
ユーカリプタス
/ 学名Eucalyptus radiate(ユーカリラディアタ)、Eucalyptus globulus(ユーカリグロブルス)、Eucalyptus citriodora(ユーカリシトリオドラ)
ユーカリという植物はとっても種類がたくさんあるのですが、精油として主に流通しているのは3種。
ユーカリラディアタ、ユーカリグロブルス、ユーカリシトリオドラ
なかでも日常的に使いやすく、手に取りやすい、そしてこの後ご紹介する働きがあるのはラディアタとグロブルスです。種類によって香りも異なり、よって成分や作用も少しずつ異なりますので購入の際はどのユーカリなのか、そして自分はどのユーカリの香りが好きでしっくりくるのかを必ず確認しましょう。
ところでなぜユーカリが【肺】に深い結びつきがあるのかというと、
「open the lungs」日本語で「肺を開く」
という代名詞を持っている植物だからです。まさに香りを吸い込んであげることで肺を開き酸素を取り込む呼吸器系のサポートをしてくれます。
ここで、「ユーカリ」と聞くと思い浮かぶのはどんなワードでしょう?
例えば、「オーストラリア」「コアラ」などはユーカリと切っても切れない存在です。ユーカリはオーストラリア原産で森林のおよそ4分の3はユーカリとも言われるほど沢山生息しています。日本では、樹木としてはあまり馴染みがないと思いますが、オーストラリアではとっても馴染み深く暮らしに根付いているような木です。ひとつ前の記事でご紹介したティーツリーも同じく。
またコアラにとってもユーカリは大変重要な存在で、コアラは主にユーカリの葉から水分を補給しています。オーストラリアの生態系にも大きく影響している木です。
そしてこの2つにも深く関わるのですが、数年前によくニュースなどでも報道されていたオーストラリアの「森林火災」。この火災にもユーカリの木が関わっているのです。
ユーカリの葉には多くの精油成分が含まれています。気温が高くなると精油成分の一部であるテルペンが空気中に揮発します。(現地ではその様子を「ブルーヘイズ」と言うようです)で、そのテルペン始め精油成分は引火性なので何かしらの火種に引火すると、あっちもこっちもユーカリですので、どんどん燃え広がり山火事が広がっていく…ということなんですね。
ただこうして燃えてしまったユーカリの葉も、地中のミネラルを栄養としてすぐに再生する驚きの生命力を保持しています。(燃えた後24時間以内に新芽がでてくると聞いたこともあります。)
このユーカリの強い生命力が私たちの生命と直結している呼吸器系をサポートしてくれる力となっているのです。(1日くらい食べなくても大丈夫ですが、1日呼吸をしない、なんてことできないですよね、)
そんなところから「open the lungs」「肺を開く」という代名詞がつけられたのだと思います。
【呼吸】をいつもより少し意識して、自然豊かな場所の美味しい空気を肺深くまで吸い込んでみたり、クーラーで空気がこもりがちな室内にユーカリの精油を芳香してみたり、ヨガなどの運動の際にユーカリのスプレーやオイルをちょっと香らせてみたり。お掃除に使うのもおすすめです。
雑巾やクイックルワイパーなどにユーカリ精油をポタポタと垂らして床掃除してあげると床も空気も心も身体もとってもすっきりします。(なんだか気持ちがもやもやする時などはとにかく動いてみるといいなと思っていて、そんな時に精油を使った床掃除は最高です。)
ユーカリをお供に、徐々に身体を晩夏から秋へと移行するサポートをしてみては◎
WSでは節気ごとの精油を使ってその一ヶ月を快適に過ごすためのアイテムを作っています。来月9/16は「ハーブ蒸留と化粧水づくり」
なかなか間近で見ることのできないハーブの水蒸気蒸留をして、そこでとれた蒸留水に好きな精油やティンクチャーなどをブレンドし化粧水を作ります。
知識よりも技術よりもなによりまずは自分の体感がとっても大切。ぜひ五感で楽しむWSお越しください◎
また次回白露の頃に。
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