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仕事終わりに家族とふぐ料理屋へ。狭い部屋で蘇る、数年前の記憶と家族の温もり

仕事が終わり、ふと「今日は家族で何か美味しいものでも食べに行こうか」と思い立ちました。頭に浮かんだのは、冬になると何度か足を運んでいる、近所のふぐ料理屋さん。そもそもこの店を知ったのは、数年前、家族で訪れたのがきっかけでした。今日はそのお店で、家族と過ごした温かい時間と、数年前の記憶が蘇ったことについて書いてみたいと思います。


仕事終わりに家族とふぐ料理屋へ

そのお店は、自宅からも歩いて10分ほどの場所にあります。最寄り駅からは数分の距離です。そもそもこの店を知ったのは、数年前、家族で食事に来たのがきっかけでした。その時以来、冬になると何度か足を運ぶようになりました。

今回は、仕事が終わってから駅からの帰りに寄ってみると、19時なら3人席の少し狭い部屋なら空いているとのこと。すぐに予約を入れ、一度家に帰り、家族と合流してお店に向かいました。

少し狭い部屋がくれた、家族の温もり

お店に着くと、大将と女将さんが温かい笑顔で迎えてくれました。案内されたのは、奥にある3人掛けの小さな部屋。確かに少し狭いのですが、家族4人で身を寄せ合うように座ると、不思議と心地よさを感じました。普段、家の食卓では少し距離が空いているので、こんなに近くに座ることも少ないので、なんだか新鮮です。

子どもは少し窮屈そうにしていましたが、すぐに慣れた様子で、メニューを広げて何を食べようかと楽しそうに話していました。狭い空間が、逆に家族の距離を縮めてくれたのかもしれません。

冬の味覚、ふぐコースを家族で堪能

メニューを見て、いつものふぐコースを注文。付き出しから始まり、てっさ(ふぐ刺し)、唐揚げ、そしてメインのてっちり(ふぐ鍋)、締めの雑炊、アイスと続く、定番のコースです。

まずは付き出し。湯引きされた皮のコリコリとした食感を、子どもも気に入った様子。続いて出てきたのは、薄造りのてっさ。透き通るような身を、もみじおろしとネギを巻いてポン酢でいただきます。子どもは初めて食べるてっさに少し緊張していましたが、一口食べると「美味しい!」と目を輝かせていました。

熱々の唐揚げは、子どもに大人気。カリッとした衣の中から、ふっくらとした身が現れます。あっという間になくなってしまいました。

いよいよメインのてっちり。鍋にたっぷりの出汁と野菜、そして主役のふぐの身が盛り付けられています。ふぐの身はまだピクピクと動いています。子どもたちはピクピクしていることにさほど興味がないようでしたが、さっきまで水槽に泳いでいたので新鮮です。火にかけると、湯気と共に良い香りが立ち込めてきます。しばらく煮込むと、ふぐの身が白くふっくらとしてきました。

熱々の身をポン酢につけて口に運ぶと、思わず「うまい!」と声が出てしまいました。淡白ながらも深みのある味わい、そして何とも言えない食感。まさに冬の味覚の王様です。子どもも「美味しい、美味しい」と言って、たくさん食べていました。

数年前の記憶:ボーナスの日とふぐ

ふぐ鍋を囲んでいると、ふと数年前の記憶が蘇ってきました。そう、以前この店に来たのは、数年前の冬のボーナスの日だったのです。そのときも家族で、「ボーナス入ったからちょっと贅沢しよう」とこの店にやってきました。その時はまだお酒を飲んでいたのでヒレ酒や焼きふぐを楽しんだ記憶があります。

その時ふぐが美味しかったので、別の機会に職場の同僚とふぐを食べに来ましたが、なぜかそこまで美味しく感じませんでした。同僚はお金の話ばかりしていたのでそれが原因かもしれません(苦笑)。

今回、家族と一緒にてっちりを囲んでいると、その時のことを鮮明に思い出しました。同じ店、同じ料理なのに、一緒にいる人が違うだけで、こんなにも違う体験になるのかと、改めて感じました。

何気ない日常の中に潜む大切なこと

今回の経験を通して、食というものは、単に栄養を摂取する行為だけではないのだと改めて感じました。誰と食べるか、どんな時間を過ごすかによって、味の感じ方は大きく変わります。そして、家族と過ごす何気ない時間、過去の記憶が蘇る瞬間、それら全てがかけがえのない宝物なのだと気づかされました。

少し狭い部屋でしたが、そのおかげで家族の距離が縮まり、温かい時間を過ごすことができました。ふぐ料理屋を後にして、家族と手をつないで夜道を歩きながら、そんなことを考えていました。

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