見出し画像

サオジバリエーション【Saoji Chicken】

今日は当店の看板メニューでもある、サオジチキンのご紹介です。



サオジのご説明についてはこちら↓


◼️Saoji Chicken

サオジチキンは、Nagpurでサオジマトンと共にサオジを代表する人気メニューです。
32種類ものスパイスに鶏の旨味が溶け込んだ、サオジ料理の中でも珠玉の逸品です。
現地で習ったサオジチキンは、これまでに僕が食べた全スパイス料理の中でダントツで一番でした。

当店は日によってサオジの具材を変えているのですが、その中でも一番登場頻度が高いサオジチキンについて紐解いていきます。


◼️本物の味への道のり

サオジを作り始めた当初、まだ現地に行く前は、少しでも本物のレシピに近づくことができるよう海外のレシピサイトなどでサオジのレシピをしらみつぶしに調べ上げては作っていました。

Saoji Zinga、Saoji Mutton、Saoji Sundari、Soji Khurなどなど。

どれもめくるめくスパイス体験で、その強烈さを知るほどに高揚していました。

ですが、どうしてもSaoji Chickenだけが現地で使われているチキンとサイズ感が違うように見えるため、引っ掛かりがあるまま何度も作り直していました。

丸鶏が使われているため、骨の処理やぶつ切り具合など試行錯誤を繰り返しまして、美味しいことは美味しいのですが、何となく違和感は解消されず、何せ日本で正解を食べることができる機会はありませんでしたので、「現地に行くまでは一旦引っ込めるか、、、」とメニューからひっそりと消えたのでした。


◼️使用されるチキン

現地サオジレストランでの修行で、いくつかの答え合わせも含めて、必ず習得しよう!と決めていた事柄の一つが、サオジチキンで使われるチキンの品種についてでした。

結論から言いますと、日本でいう地鶏の一種といいますか、Nagpur原産の珍しい品種でした。
「Gavrani Chicken」という品種で、やはり日本で感じていた通り、ブロイラー鶏に比べて小ぶりでした。
食味としては濃厚で、なるほどこれは他のチキンとは一線を画すなぁ、という印象でした。(美味しすぎて、二口目以降はサオジ習得のことを忘れるぐらい夢中で貪りました!笑)

日本に帰ってきてから様々な鶏を試して、ある品種の鶏が形状・食味ともにとても近い味わいでしたので、ようやく「日本で提供する本物のサオジチキンの最適解はこれだ!」という答えに辿り着き、現地修行を経てSaoji Chickenは当店1番のレギュラーメニューとなったのでした。

サオジレストランオリジネイターの元で11年修行した方からサオジを習う。ここで食べたサオジが本当に美味しかった。

◼️色々なサオジチキン

サオジの検索をすると様々なサオジチキンのレシピがヒットするのですが、これらのほとんどは簡略化されたレシピであり、本物のレシピの全貌は殆ど出回ってないように思います。

さらに、各家庭やレストランによって配合が違ったりプラスαの材料などの独自性があるそうなのですが、本物のレシピには極めて重要な共通点があります。(現地に倣ってここは秘密!)

現地でいくつかのサオジレストランを食べ歩きましたが、新興のレストランでは普通の鶏が使われていたので、現地でもトラディショナルなサオジを提供しているお店は限られている印象でした。

希少性によるコスト高などもありそうだし、飲食業やっている身からするとやむなしの部分もあるんやろなぁという共感はありましたが、他品種のチキンで作られたサオジチキンは、正直あまり感動しませんでした。

現地で食べた、うーん、なサオジ(笑)
美味しいんですが、初っ端に食べた現地サオジがこれだったので、だいぶ不安になりました(笑)

サオジチキンの特徴は、強烈なスパイス配合と強い旨みが深く混じり合う、あのチキンだからこそ生み出せる味わいですので、極限まで現地の味を再現した当店のサオジチキンで、僕がインドで受けた鮮烈な感動を皆様と共有できたら嬉しいです。

ちなみに、当店は製法や材料は現地とほぼ同じ手法で作っていますが、辛さだけは現地よりは少しだけマイルドにしています。
オプションで現地の辛さなどもご用意していますので、辛味にお強い方はこちらも是非お試しください。

僕が習った、辛さの度合いに対する現地での変遷なんかもそのうち書きたいと思います。



続く
ーーーーーーーー



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?