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雪を踏むみたいな食感の肉
火の通りはレアな牛挽肉が、生きたまま私の口に届けられる。新雪を踏みしめるかの如く、穢れを付与していく感覚。
このパティは限りなく無垢な生命の塊であった。
卵の黄身は外の空気を欲するように弾け、チーズはだくだくと流れ出し、はたまたベーコンからは豚の脂が染み出る。
私は流動的なこれらを止めることは出来ない。口の周りや手にはどんどんとそれがまとわりついていく。
私は、ハンバーガーを食べながら、ハンバーガーに食べられているような感覚に陥った。
早く始末しなければ、私がやられる。
だから、無我夢中で食べ進めた。あっという間に平らげた。
残ったのは幸福か、虚無か。